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梶原軸で進化する滋賀、底上げを図る仙台、積極性がカギとなる宇都宮「インフロニア B.LEAGUE U18 ELITE LEAGUE 2025」注目チーム紹介Part.3

2025.10.30

見どころ・レポート

開幕週は課題を残したものの、今後の成長が期待される3チームを紹介

 

約2ヶ月間にわたって繰り広げられた「インフロニア B.LEAGUE U18 REGIONAL LEAGUE 2025」を勝ち抜いた10チームと「インフロニア B.LEAGUE U18 ELITE LEAGUE 2025 出場決定戦」で出場権を獲得した2チームが総当たりのリーグ戦形式で競う「インフロニア B.LEAGUE U18 ELITE LEAGUE 2025」が、9月に開幕を迎えた。トーナメント方式とは違って継続的な試合を通じて王者を決定する本大会は、2026年2月まで長期にわたって展開される戦いとなっている。

B.LEAGUE U18は、将来プロバスケットボール選手としてB.LEAGUEの舞台でプレーすることを目標とする選手が集まるステージである。「世界に通用する選手やチームの輩出」というB.LEAGUEのミッションを実現すべく行われるもので、トップチームの方向性も汲んだコーチング、戦術・戦略を遂行する選手たちによる競り合いが見どころである。

今回は、B1経験もあるエース#15梶原悠真率いる滋賀レイクス U18、堅守速攻を貫く仙台89ERS U18、荒井尚光HCが語る“ドミノ崩し”を目指す宇都宮ブレックス U18をピックアップする。

滋賀レイクス U18/梶原を軸に戦力は昨シーズン以上さらなるステップアップに期待

 
【(C)B.LEAGUE】
 

「インフロニア B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2024」では、初のベスト8入りを果たした滋賀は、見事3年連続の出場となった。寺下太基HCは、主力選手が卒業で抜けたものの「その分、ほかのメンバーがステップアップしている」と説明する。「ハードなディフェンスと走るバスケは変わりません」と力を込める。実際、ディフェンス意識は素晴らしく、開幕2試合でも、トランジションからの速い展開で得点という理想とする形を何度となく作っていた。

チームの軸となるのは、B1出場経験を持つ#15梶原悠真。ペイントアタックからのレイアップ、フローター、さらに3Pシュートとどんな展開からでも得点できる魅力がある。加えてキックアウトパスから#6北川俊、#10西村匠人、#8宮田来夢など多くの選手が3Pシュートを決められる選手も多い。また#15梶原と#6北川によるピックプレーからのシュートやハイローなどを合わせた多彩なオフェンスも印象的だ。実は開幕2試合では、#15梶原と並んで2桁得点を期待できる#7中川恵太を欠いた状態での試合だった。開幕後になるものの復帰が見込まれ、オフェンスはさらに活発になるだろう。

U15から昇格している選手も多く、戦術理解度も高い。だからこそ寺下HCは「理想とするチーム像に確実に近づいている」と手応えを語る。すでに1敗を喫したものの、リーグはまだ序盤。ここからの巻き返しに期待がかかる。

主なスタメン

#6 北川 俊(169cm・63kg・PG)
#10 西村 匠人(176cm・65kg・SG/SF)
#11 鷦鷯 龍之祐(179cm・72kg・SF)
#15 梶原 悠真(180cm・75kg・SG/SF)
#17 坂本 龍志(187cm・82kg・C)

RESULTS

9/6 ○66-46 宇都宮 U18
9/7 ●63-79 SR渋谷 U18

B1でのプレー経験も持つ#15梶原悠真。多彩な得点パターンを武器にチームを牽引する
 

仙台89ERS U18/開幕3連敗の中で好プレーもありチームの底上げし、阿部合流を待ちたい

 
【(C)B.LEAGUE】
 

2年前、「B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2023」で仙台ユース史上初となるベスト4入りを果たした仙台 U18。快進撃の一端を担ったのが当時高校1年生だった#96阿部真冴橙。同級生の#77丹野路和と共に着実に成長し、ここまでチームを支えてきた。両者は8月末に行われた「インフロニア B.LEAGUE U18 ELITE LEAGUE 2025 出場決定戦」でもチームを引っ張ってU18 川崎に勝利。2年連続出場を決めた佐藤濯HCは「精度を上げ、エリートリーグでも我々らしく戦いたいと思います」と意気込んだ。

#96阿部がユース育成特別枠でトップチームに登録されて不在の中、ツインエースの一人、#77丹野が3試合で21.3得点と奮闘したものの、開幕3連敗を喫した。その#77丹野が「後半の戦い方」と指摘したとおり、琉球戦を除けば、前半は良いリズムで戦っていただけに勝負どころでの試合運びが今後の浮沈を左右する。「ボールマンに強いプレッシャーをかけてミスを誘発し、速い攻撃につなげるというバスケ」(#77丹野)という強みを、いかに最後まで徹底できるかが勝利を手繰り寄せるための条件となる。

一方で、敗戦の中にステップアップを感じさせる局面もあった。スピードが武器である#17菅野郁人が横浜BC戦で20点、琉球戦で14点と#77丹野に次ぐスコアラーとなり、#10荻野颯奨は佐賀戦で17リバウンドと存在感を発揮。巧みなディフェンスを見せる#88堀内晃、コンスタントに3Pシュートを決められる#7板垣奏志など、個々の能力も高いだけに、いかに安定感を出すかが今リーグでの課題となるだろう。

チーム全体の底上げが図られた中で#77丹野と#96阿部のツインエースが揃えば、チームは万全の布陣となる。そうなれば、再び上位進出を狙えるチームへと進化するだろう。

開幕3戦のスタメン

#10 荻野 颯奨(184cm・77kg・PF)
#17 菅野 郁人(174cm・68kg・PG)
#51 髙嶋 大翔(170cm・62kg・PG/SG)
#77 丹野 路和(176cm・72kg・SG)
#88 堀内 晃(166cm・62kg・PG)

得点源として期待を背負う#77丹野路和。チームに初勝利をもたらすべくコートに立つ
 

RESULTS

9/5 ●61-77 横浜BC U18
9/6 ●59-63 佐賀 U18
9/7 ●69-79 琉球 U18

宇都宮ブレックス U18/ペイントアタックとリバウンド積極性を試合開始から出せるか

 
【(C)B.LEAGUE】
 

開幕3連敗と苦しいスタートとなったが、光明も見えている。それが、荒井尚光HCが語る“ドミノ崩し”の形だ。名古屋D U18戦は1Q 4-23という出だしになってしまったが、2Q以降は互角と言える戦いを演じた。荒井HCは「単にパスを回すだけでは確率も悪いし、リバウンドも奪えない。ペイントタッチからキックアウトし、ズレを生んでシュートにつなげる。ドミノ崩しの形を作ることでリズムがよくなった」と手応えを語った。その中で、マッチアップゾーンも効果的だった点も特筆すべきだろう。

オフェンスを牽引するのは「ドライブで切り込み、自らのフィニッシュと外へのキックアウトを使い分けるのが武器」と語る#32小森拓。高い身体能力を生かし、率先して仕掛けることで、#16吉川輝、#7外山湊人、#87鶴見彪憂雅らの3Pシュートにつながることにもなる。いかに良い再スタートを切るかについて、#32小森は「リバウンドを徹底することを確認し、自分たちのバスケができるようになりました。全員でウォームアップから気持ちを作って試合に臨みたい」と語る。

宇都宮 U18の持ち味は、好守からトランジションへつなげるという流れにある。実際3試合でも、この形から流れを掴む場面が見られた。いかに試合序盤から、自分たちの持ち味であるバスケを展開できるか。それが注目ポイントとなる。

開幕3試合の主なスタメン

#7 外山 湊人(178cm・72kg・PG)
#16 吉川 輝(168cm・66kg・PG)
#18 梅山 大輝(185cm・85kg・PG)
#32 小森 拓(178cm・71kg・PG)
#96 吉川 健太郎(180cm・78kg・PG)

 

RESULTS

9/5 ●63-91 名古屋D U18
9/6 ●46-66 滋賀 U18
9/7 ●61-80 千葉J U18

“ドミノ崩し”の起点となる#32小森拓。彼のアタックからリズムが生まれる

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