名古屋Dがライバルを撃破し連覇達成! SR渋谷は初の3位に [インフロニア B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2025]
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ライバル対決を制したのは名古屋D U18!!
11月26日、「インフロニア B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2025」(会場:栃木県・日環アリーナ栃木)大会最終日、レバンガ北海道 U18と決勝で対戦した名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U18は、自慢のディフェンスからチャンスを掴むと、武器である3Pシュートで得点を重ねて88-71で勝利。2年連続2度目の優勝を果たした。また3位決定戦では、ディフェンスで掴んだチャンスをものにしていったサンロッカーズ渋谷 U18が大阪エヴェッサ U18を下し、過去最高成績を残した。
今大会は、B.LEAGUE U18チームの文化構築と醸成を目的に開催されるもの。B.LEAGUEのミッションである『世界に通用する選手やチームの輩出』に向け、個人の能力に応じた育成強化の環境を形成する機会としても位置づけられている。
昨年、4度目の決勝進出で悲願の初優勝を果たした第1シードの名古屋D U18は今大会、まず2回戦で越谷アルファーズ U18に78-50、3回戦で仙台89ERSに80-58で勝利。エンジンの回転数を上げると、準々決勝ではB.LEAGUE U18随一の高さを誇る横浜ビー・コルセアーズ U18に84-62で快勝。さらに準決勝のサンロッカーズ渋谷 U18戦でも自慢のディフェンスを武器に、バックコート陣をスローダウンさせて72-58で下し、5年連続5度目の決勝進出を決めた。強みは、経験豊富な3年生が揃っていること。エース#2若野瑛太に加え、マルチな才能を持つ#6小川莞大、高確率の3Pシュートを放つ#9春田結斗、チームの心臓と言われる#14川邉蒼侑という高3カルテットが素晴らしいコンビネーションを見せる。準決勝後、キャプテンの#2若野は「圧倒して優勝する」と意気込みを語っていた。
一方、昨年3位の北海道 U18は初戦となる2回戦でアルバルク東京 U18戦に62-42で快勝すると、3回戦ではライジングゼファー福岡 U18を77-68で下してベスト16入りを果たした。昨年のリマッチとなった準々決勝・滋賀レイクス U18戦では、「どう抑えるかも準備してきた」(寺下太基 HC)という相手に第1クォーターで9点ビハインドを背負ったが、84-73で見事逆転勝ち。続いてタフな試合となった準決勝の大阪エヴェッサ U18戦も66-54で勝利し、2年ぶりとなる決勝進出を決めた。軸となるのは、1年生から活躍する#9西村優真、#11安藤煌太朗。加えて、#4中川稟太郎、#6木村颯太とこちらも3年生のリーダーシップが光るチームだ。昨年は準決勝で敗退しているとあって、キャプテンの#11安藤は「一戦ごと集中して戦ってきました。名古屋Dの対策を上回るバスケをして優勝を勝ち取りたいと思います」と力強く話していた。
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試合は3年生による見応えある攻防からスタートした。北海道 U18は#6木村が右ウイングからドライブで得点すると、#11安藤のスティールから#6木村が速攻を決める。対する名古屋D U18は#2若野のプルアップ3Pシュートで初得点。さらに#6小川、#9春田と続き、#2若野の3Pシュート2本目が飛び出していきなり2桁差を付けた。それでも北海道 U18は慌てない。#9西村、#4中川、#11安藤が連続してシュートを射抜くと、クォーターのラストプレーでダブルチームを仕掛けて#2若野からターンオーバーを引き出して得点。名古屋D U18の21-19で第1クォーターを終えた。
第2クォーター立ち上がり、流れを維持する北海道が24-21と逆転に成功。一気にリードを広げたいところだったが、名古屋D U18に流れを取り戻される。開始1分半の#6小川のレイアップを皮切りに、#14川邉や#2若野の3Pシュート、1年生#11佐藤駿の連続得点、#6小川のブザービーター3Pシュートと猛攻を見せて46-32でハーフタイムを迎えた。攻防で隙のなかった名古屋D U18は前半、強みである3Pシュートで7/17 (41.2%)という高確率を記録。準々決勝で大会最多タイとなる8本を決めるなど今大会3Pシュートが好調な#2若野は、前半だけで5本を決めて20得点をマークした。北海道 U18の#11安藤は「3Pシュートが想像していた以上に決められてしまいました。その差が前半の点数につながったと思います」と振り返った。
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名古屋D U18の山下諒HCは前半について、「#9西村選手、#11安藤選手の個の力は強いので簡単にボールを運ばせないようにしていましたが、何より3Pシュートを警戒していて、特に#4中川選手に調子に乗らせないようにと考えていました」と明かす。北海道 U18の3Pシュートは前半3/12。#4中川に4ポイントプレーを決められたが、前半はその1本だけに抑えている。
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一方、北海道 U18の齋藤拓也HCは「強みである動きのあるオフボールのアクションをと考えていたが、前半はボールが停滞した時間が長くなっていました。後半に向けて、そこを切り替えていこうと伝えました」と語る。巻き返しを期す北海道 U18は第3クォーター序盤、#4中川、#6木村が3Pシュートを沈めたが、名古屋D U18の勢いを止めるには至らない。ハイロー攻撃、ドライブとペイントアタックから得点を重ね、ディフェンスを収縮させると#9春田が連続3Pシュートを成功。残り4分半で67-40と名古屋D U18が一気にリードを広げた。
その後、北海道 U18はエース#9西村がドライブから連続得点につなげると、#6木村、#4中川も続いたが、23点ビハインドと差を広げられてしまった。迎えた最終クォーター、齋藤HCが「最後まで戦う姿勢を貫こう」とエネルギーを注入された北海道 U18は、#6木村や#11安藤、#10新田航大のシュートで得点を重ねると、#9西村が会場を沸かす連続得点をマーク。しかし、大量リードを握っていた名古屋D U18が88-71で勝利し、大会連覇を果たした。
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決勝で5本の3Pシュートを沈めて27得点、8リバウンドと活躍し、MVPに選出された#2若野は「日本一堅いディフェンスと日本一速いオフェンスをずっと目標で掲げ、チームで話し合いながら、強度を落とさずにこの5試合貫き通すことができたことが優勝できた一番の要因かなと思います」と語ると、「日本一の高校生になるという目標は、まだ達成できていません。残り数ヶ月、しっかりやっていきたいです」とさらなる成長を誓った。一方、ベスト5に選ばれた副キャプテン、#14川邉(11得点、7アシスト)は「僕たちは2年前、この日環アリーナ栃木での決勝で敗れ、本当に悔しい思いをしました。今日の決勝は本当にチーム全員で戦っていたと感じられた試合で、しっかりリベンジできたことがうれしいです」と笑顔を見せた。
また昨年までU18チームを率いていた大西順(現育成ディレクター)からバトンを受け、見事連覇に導いた山下HCは「この大会を通して一番いいゲームでした。全員が目標に向かって、やるべきこと、自分たちのバスケをしっかりやった。その結果がこの優勝です」と選手たちを称えた。
名古屋D U18の連覇で幕を閉じた「インフロニア B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2025」だが、進行中のリーグ戦「インフロニア B.LEAGUE U18 ELITE LEAGUE 2025」は来年2月まで戦いが続き(決勝を戦った両者の再戦は2026年2月1日)、直後となる2月10日~15日にかけては、今大会ベスト4が出場する「インフロニア B.LEAGUE U18 INTERNATIONAL CUP 2026」も開催されるなど戦いは続く。名古屋D U18の#14川邉は「今後、さらにドルフィンズを倒すという勢いでやってくるはずです。しっかりチャレンジャー精神を持って、チームをさらに強化していきたいと思います」と意気込みを語っている。王者を倒すチームは現れるのか、それとも名古屋D U18が再び力を示すのか。しのぎを削り合う戦いに注目したい。
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【大会最終日/11月26日(水)試合結果】
■決勝/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U18 88-71 レバンガ北海道 U18
■3位決定戦/サンロッカーズ渋谷 69-39 大阪エヴェッサ U18
【大会結果】
■優勝/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U18 (2大会連続2回目)
■準優勝/レバンガ北海道 U18
■3位/サンロッカーズ渋谷 U18
■4位/大阪エヴェッサ U18
■個人賞
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【MVP】名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U18 #2 若野 瑛太
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【ベスト5】
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U18 #2 若野 瑛太
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U18 #14 川邉 蒼侑
レバンガ北海道 U18 #9 西村 優真
サンロッカーズ渋谷 U18 #10 棚橋 康成
大阪エヴェッサ U18 #13 浅井 弘士郎
【(C) B.LEAGUE】
【MIP】
レバンガ北海道 U18 #11 安藤 煌太朗
大会概要
インフロニア B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2025
主催:公益財団法人日本バスケットボール協会、公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ
主管:公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ
特別協賛:インフロニア・ホールディングス株式会社
協賛:株式会社モルテン、株式会社サードシップ
日程:2025年11月22日(土)~11月26日(水)
会場:日環アリーナ栃木(所在地:〒321-0152栃木県宇都宮市西川田4-1-1)
出場チーム:40チーム
大会形式:トーナメント(ノックアウト方式)
競技規則:「2025 バスケットボール競技規則 (Official Basketball Rules 2024)」
出場権獲得:上位4チームが「インフロニア B.LEAGUE U18 INTERNATIONAL CUP 2026」の出場権を獲得する。
