チケット購入

B.MAGAZINE

【EASL】12月17日はB.LEAGUE勢のグループ第3戦、初戦全敗からの巻き返しに向けたカギは?

2025.12.11

国際連携

 

東アジアスーパーリーグ(EASL)が現在のフォーマットになって、千葉ジェッツと広島ドラゴンフライズが優勝し、東アジアにB.LEAGUEのレベルの高さを見せ付けてきた。しかし、勢力図は常に変わり続ける。10月8日に行われた2025-26シーズンのEASL開幕節で、宇都宮ブレックス、琉球ゴールデンキングス、アルバルク東京の3チームがすべて敗れたのは衝撃だった。

 

宇都宮と琉球は敵地の台北和平籃球館で立て続けに行われた試合で、それぞれ台北富邦ブレーブス、桃園パウイアン・パイロッツに敗れた。『完全アウェーの雰囲気』に飲み込まれた部分もあるが、海外クラブがEASLで勝つために当然必要となる宇都宮、琉球への対策は徹底されていた。富邦はD.J・ニュービルには得点を許しても他の選手の得点を抑えに来たし、桃園は琉球のピック&ロールに激しいプレッシャーを掛け、起点を潰すことでオフェンスを停滞させた。

 

A東京はホームでザック・ブロンコスに敗れた。モンゴルから初出場となったチームの実力は未知数だったが、ケガ人続出でテーブス海やセバスチャン・サイズを欠き、ロスターは10人という苦しい状況。試合を通して本来のプレー強度を出せずに69-84の完敗を喫した。

 

相手はB.LEAGUE勢を止めることが優勝のカギだと考え、徹底した対策を取ってくる。B.LEAGUE勢は選手のレベルは高くても過密日程と海外遠征でコンディションが十分ではない弱点を今後も狙われることになるだろう。

それでも3チームはいずれも第2戦に勝利。A東京はテーブスの10得点6アシスト、サイズの25得点9リバウンドと、主力の復帰がチームを立て直し、グループ首位を争うライバルとなるであろうニュータイペイ・キングスに勝利した。B.LEAGUE勢のスタイルを熟知するジョン・パトリックがヘッドコーチを務めるだけに油断は禁物だったが、見事なバウンスバックを見せた。

 

A東京は12月17日に昌原LGセイカーズとホーム(アリーナ立川立飛)で対戦する。ここまで1勝3敗でグループ最下位の相手にホームで負けるわけにはいかないが、12月9日にはブロンコスに98-83と競り勝っている。エジプト代表でもあるアッセン・マレイが21得点11リバウンド10アシストとトリプル・ダブルを記録。琉球でのプレー経験を持つカール・タマヨもセカンドユニットの得点源として存在感を発揮している。そんなタレント力をA東京の組織力が抑えることを期待したい。

 

A東京の属するグループCでは、すでにニュータイペイ・キングスとブロンコスがA東京との1試合を残すのみとなっており、いずれも3勝2敗の成績。1勝1敗のA東京はまだ4試合を残しており、開幕戦を落としてもなお自力でのグループ1位通過が可能だ。そのためにも昌原が相手となる今回のホームゲーム、1月21日のアウェーゲームでの連勝を是非とも成し遂げたい。ただし第2戦で勝利の立役者となったテーブスは再び戦線離脱中。他の選手のステップアップ、および機能するローテーションを見いだすことが必要となる。

開幕戦で富邦に敗れた宇都宮だが、2戦目ではソウルSKナイツに97-89で勝利した。この試合でもニュービルは厳しいマークを受けながらも28得点を記録。それ以上にアイザック・フォトゥが30得点8リバウンド6アシストと爆発したのが大きかった。過密日程の中での短期決戦を勝ち抜く上では、試合ごとにヒーローが誕生することが望まれる。この良い流れを継続させ、さらに発展させられるかが宇都宮にとってのカギになりそうだ。

 

12月17日の第3戦は、ソウルSKナイツと敵地でのリターンマッチ。第4戦と第5戦で対戦する香港イースタンはグループ内でも一段階力が劣ると見られるだけに、ここでソウルSKナイツに連勝できれば2位以内のグループ突破が濃厚となる。そしてグループ最終戦、ブレックスアリーナ宇都宮で富邦に3点差以上の勝利を挙げればグループ1位通過を勝ち取れるはずだ。

キーマンとなるのは竹内公輔だ。EASLでは起用できる外国籍選手が1枠少なく、ガードのニュービルを擁する宇都宮は日本人ビッグマンの活躍が求められる。EASLでの竹内は、B.LEAGUEの試合よりもプレータイムが増え、簡単にはファウルもできない状況で身体を張り、インサイドで粘り強いプレーを続けている。ニュービルや比江島が輝けるのも、その支えがあってこそ。日本代表として長年アジアの強豪と渡り合ってきた竹内は、40歳になった今もEASLで貴重な働きを見せている。

 

琉球はホームゲームとなった第2戦でメラルコ・ボルツに勝利。12月17日にはホームで、1月21日にはアウェーでマカオ・ブラックベアーズと対戦するが、こちらもグループ内では力が劣ると予想される相手。ただしメラルコ・ボルツ相手に連敗は喫したものの12月6日の第2戦では2点差と食い下がっており、油断は禁物だ。

 

開幕戦で琉球を破った桃園は、メラルコ・ボルツとのアウェーゲームを落として1敗を喫した。これにより琉球にも自力でのグループ首位通過のチャンスがある。勝つべき試合をきっちりと勝ち、2月4日にホームで行われる桃園との試合では15点差以上でリベンジを果たしたい。

 

琉球を牽引すべきはチームの象徴である岸本隆一をおいて他にない。35歳となった今、ケガは増えてきたがスキルと経験の積み上げはさらに深まり、チーム内における存在感は衰える気配がない。国際大会での活躍とタイトル獲得に執念を燃やす琉球において、岸本も同じ気持ちを持っている。何度もつかみかけたEASLのタイトルを、そのクラッチタイムの勝負強さで引き寄せてもらいたい。

PICKUP VIDEO

Bリーグ
オリジナル特集