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B.LEAGUE U18選抜がフランスで示す“個の証明”と未来への飛躍——「CHOLET MONDIAL BASKETBALL」プレビュー

2026.04.02

見どころ・レポート

 

ヨーロッパ初参戦!世界最高峰のU19ユースの祭典へ

 

B.LEAGUEユースには大きな目標がある。まずは「2028年までにプロ選手を50名輩出する」こと、もう一つは「2032年までにNBA選手を輩出する」こと。育成ガイドラインの策定やコーチ養成プログラムの実施に向け、2025年に「B.RAISE PROJECT」を立ち上げるなど、将来につながる施策を一つ一つ打ってきている。

そして今回、その「世界基準」を実戦の中で体感するための新たな強化アプローチとして、4月3日から6日にかけてフランス・ショレで開催される国際大会「第42回 CHOLET MONDIAL BASKETBALL」にB.LEAGUE U18選抜を派遣する。同大会は40年を超える歴史を持つヨーロッパの登竜門的存在であり、ルディ・ゴベア(ミソネタ・ティンバーウルブズ)やナンド・デ・コロ(元トロント・ラプターズ)、ニコラ・バトゥーム(ロサンゼルス・クリッパーズ)など数々の名選手を輩出してきた過去を持つ。それだけに、金の卵を視察するために世界各国のスカウトも集うのだという。例年、ヨーロッパ各国の有力ユースチームが顔を揃える同大会が、なぜ日本を招待したのか? 近年国際試合で躍進を見せる日本バスケの育成環境に対する、強い関心があったからと言えるだろう。

開催地となるフランスはもちろん、カナダ、チェコ、スペイン、オランダ、フィンランド、モンテネグロ、そして日本と8ヵ国から12チームが参加と、今大会の出場チームも実に多彩だ。「CHOLET MONDIAL BASKETBALL」は19歳以下が出場規定となる大会であり、年齢が一つ下回るB.LEAGUE U18選抜が、体格や経験値で勝る世界の強豪チームに対してどのような戦いを繰り広げるのかは非常に興味深い。B.LEAGUE U18選抜が予選グループで対戦するのも、対極のアプローチを持つ2つの強豪チームである。一つはホスト国フランス1部の直属育成組織であり、プロへの昇格を至上命題として厳格な戦術理解度と完成度を誇る「CHOLET BASKET」。もう一つは、ドイツの名門スポーツ学校としてスカウトへのアピールと個人の実力最大化に特化した専門アカデミー「URSPRING ACADEMY」だ。

さらに、国際ルールとは異なる大会独自の特別競技規則への適応も求められる。1クォーターは通常の10分から8分に短縮され(準々決勝以降は10分)、個人ファウルは4回で退場となる。オーバータイムは5分間を1度だけ行い、決着が付かなかった場合には「サドンデス・フリースロー」で勝敗を決する。コートに立つ全選手が参加して即座に決着をつけるこの異例のルールに加え、大会初日には1日2試合をこなす過密日程も組まれており、不測の事態への迅速なアジャストメントが勝負を大きく左右することになる。
 

コンセプトは「個を証明する」と「アドバンテージバスケ」

 
【(C)B.LEAGUE】

指揮を執る秋葉真司HC(サンロッカーズ渋谷 U18)は、「勝利はもちろん全員で取りにいくが、今大会はチームコンセプトとして『個を証明する』ことを大事にする」と、選抜チームの根幹となるマインドを明かした。
 

圧倒的な高さやフィジカルを持つ海外勢に対し、秋葉HCが対抗策として掲げるのが「アドバンテージバスケ」である。「誰かにボールを託し続け、他の選手がコーナーステイするようなバスケはしない。12人それぞれが点を取れる場所で取っていくのが今回の最適解だと考えている」と、選手の主体性と強みを最大限に活かす意図を説明した。そのベースとなるのが、最大の武器である圧倒的なスピードと、前線からスペースを削るインテンシティ、そして複数人が連携してカバーに向かうソリッドなディフェンスの共存である。
 

また、短期間でチーム構築をするうえで、鈴木龍雄AC(佐賀バルーナーズ U18)、吉田英司AC(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U15)との間でも緻密な指導方針のすり合わせも行われたという。「個の証明を掲げている以上、選手たちの判断や体感をこちらが奪うことはしたくない。悩んでいるなら悩ませて、本当に困っている時にだけ答えを出す」と、秋葉HCは選手の主体的な決断を尊重しつつ、世界の実戦の中で生きた経験を積ませる方針だ。
 

【(C)B.LEAGUE】

今回選出された12名は、新高校3年生が4選手、新高校2年生/1年生が8選手と未来を担う卓越したタレントが顔を揃えている。特筆すべきは、新高校1年生ながら高いゲームコントロール能力を買われ、選抜チーム入りを果たした山野井皓(SR渋谷 U18)の存在だ。昨年、男子U16日本代表としてFIBA U16アジアカップでも活躍した宮里俊佑(琉球 U18)、高橋秀成(U18 川崎)と共に、どんなゲームメイクをするかが楽しみである。

【(C)B.LEAGUE】

また、2m級が揃う外国勢と対戦するうえで不可欠となるのが、インサイドの攻防でどれだけ身体を張れるかということ。機動力を持つ195cmのフローニング・コリン(千葉J U18)や191cmのプラット聖也(長崎 U18)、192cmの江原行佐(横浜BC U18)への期待は高まる。世界水準のフィジカルに対して、いかにリバウンドを奪い、インテンシティ高く戦い続けられるかが日本の命運を分けると言っていいだろう。
 

秋葉HCはまた「スタートの選手だけでなく、ベンチから出ていくメンバーがどれだけ日本のバスケを体現できるかが大きなポイントになる」と語るとおり、数で勝るリバウンドの徹底やルーズボールへの野性的な嗅覚など、12人全員が自身の役割を全うする総力戦が求められている。
 

B.LEAGUE U18の選手たちが、真剣勝負の国際大会で戦う意義は計り知れない。今年2月に開催された「インフロニア B.LEAGUE U18 INTERNATIONAL CUP 2026」など海外チームの強度を肌で知る選手もいるが、完全なアウェー環境で直面する圧力は予測不能であり、困難な環境だからこそ絶対的な成長も期待できる。
 

世界最高峰の若き才能たちが集う晴れ舞台。圧倒的な体格差や強固な育成の壁を前に、日本の精鋭たちが萎縮することなく自らの「個」をどうぶつけていくのか。海を渡ったB.LEAGUE U18選抜の12選手がいかなる戦いを繰り広げるか、その挑戦の行方に注目である。
 

B.LEAGUE U18選抜チーム スタッフ陣

ヘッドコーチ:秋葉 真司(サンロッカーズ渋谷 U18)
アシスタントコーチ:鈴木 龍雄(佐賀バルーナーズ U18)
アシスタントコーチ:吉田 英司(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U15)
トレーナー:高台 周希(アルバルク東京 U18)
 

B.LEAGUE U18選抜チーム 選手(12名)※学年は発表の3月18日時点

 

小松 亮太(PF / 188cm / 高2 / 秋田ノーザンハピネッツ U18)
深水 虎太郎(SF / 187cm / 高2 / 千葉ジェッツ U18)
フローニング コリン(PF / 195cm / 高1 / 千葉ジェッツ U18)
棚橋 康成(SG / 179cm / 高2 / サンロッカーズ渋谷 U18)
古河 シェーン(PF / 188cm / 高1 / サンロッカーズ渋谷 U18)
山野井 皓(PG / 180cm / 中3 / サンロッカーズ渋谷 U18)
高橋 秀成(PG / 175cm / 高1 / U18 川崎ブレイブサンダース)
江原 行佐(SF/PF / 192cm / 高2 / 横浜ビー・コルセアーズ U18)
佐藤 駿(SF / 184cm / 高1 / 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U18)
藤田 翔(SG / 179cm / 高1 / 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U18)
プラット 聖也(PF / 191cm / 高1 / 長崎ヴェルカ U18)
宮里 俊佑(PG / 180cm / 高1 / 琉球ゴールデンキングス U18)

「CHOLET MONDIAL BASKETBALL」大会概要

大会期間

2026年4月3日(金)~6日(月)

開催地

フランス ショレ

カテゴリー

U19(※BリーグはU18選抜チームとして出場)

参加チーム

(計12チーム)

B.LEAGUE U18選抜チーム(日本)
POLARIS PREP ACADEMY(カナダ)
DRIVE ACADEMY ELITE BASKETBALL(フィンランド)
ORANGE LIONS ACADEMY(オランダ)
URSPRING ACADEMY(ドイツ)
ELX BASKET ACADEMY(スペイン)
CZ ACADEMY(チェコ)
KK PODGORICA BEMAX(モンテネグロ)
ADA BLOIS BASKET 41(フランス)
ROANNE BASKETBALL CHOIR(フランス)
LE MANS SARTHE BASKET(フランス)
CHOLET BASKET(フランス)

大会サイト

https://jfcholetmondialbasketball.com/

配信

https://www.youtube.com/@choletmondialbasketball8813

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