琉球のルーキー脇真大「悔しいです、それだけです」…今季全60試合に出場した新人王候補
5月27日、Bリーグの年間王者を決める「りそなグループ B.LEAGUE FINALS 2024-25」GAME3が横浜アリーナで行われ、琉球ゴールデンキングス(西地区1位)が宇都宮ブレックス(東地区1位)に敗れ、あと一歩のところで優勝を逃した。
今シーズン、琉球でプロキャリアをスタートさせたルーキーの脇真人は193センチの長身と運動量を生かし、周囲を驚かす活躍でチームをけん引した。試合後のインタビューで開口一番「悔しいです、それだけです」と答えた脇は、終始悔しさを滲ませながら、試合を振り返った。
シーズン終盤で琉球の絶対的エースである岸本隆一を欠くという緊急事態を救い、ファイナル進出に貢献したルーキーは、最終盤までもつれたこの激闘について「終盤のD.J・ニュービルと比江島さんの3ポイントシュート2本が、勝敗を分けたと思っています。あそこを止められなかったのは、自分たちの甘さだと思っています」と、大熱戦の中、勝敗を分けたポイントをピックアップ。終盤までリードをして、試合を優位に進めていた中でチームとしてのプランについては、「ギャビン・エドワーズがファウルアウトしたので、(竹内)公輔さんのところを狙ったが、狙いすぎてボールが停滞してしまった。チームとして前が空いたらアタックすることを心掛けたが、後半は自分たちのターンオーバーが目立って流れを持っていかれた」と分析した。
慣れないポイントガードにチャレンジしながらも、ファイナルのGAME2では12得点を挙げるなど勝利に貢献した脇は、GAME3で自分に対するプレッシャーの強さを感じていたという。「ボールプレッシャーがハードに来ていたので、僕のトランジションの部分を止めに来ているのはわかった。相手インサイド陣も僕に対する守り方を変えてきて、それに対応しようと意識したが、何回かしかうまくいかずリズムがつかめなかった。なので今日はヴィック(・ロー)に運んでもらい、アイソレーションもできたのでそこの方がいいと。随所にトランジションオフェンスで貢献できたが、勝たないと意味がない」と、宇都宮ディフェンスの強度を感じたという。
それでも今シーズンはレギュラーシーズン全60試合に出場し、チャンピオンシップでは8試合全てに先発出場を果たし、新人王候補に名を連ねるにふさわしい活躍を見せた。選手層が厚く、カルチャーが出来上がっているチームで活躍できたことを問われると「最初は先輩たちの後ろをついていく感じだったが、シーズン終盤になって自分のプレーができてきた。どういったことができるかを証明して使ってもらえて、隆一さんのケガをきっかけに、ポイントガードをやったことはなかったが、自分のボールプッシュをコーチ陣も認めてくれたので、その強みを生かせました」と、シーズン中に成長を感じたと答えている。
「僕もこのキングスのバスケットボールカルチャーは、心からやりたいバスケットボールだったので、そこを尊重して入団しました。その中で信用して使ってもらいながらも、勝たせきれなかったのは僕自身も悔いが残ります。勝ちゲームだったのに、僕がコントロールできず相手に持っていかれてしまった。キングスという強いチームで、目の前の優勝をこぼしたのは、僕にも責任があります」と、今シーズンで得たものと、この敗戦の悔しさを素直に振り返った。
来シーズン、この悔しさをバネにさらなる飛躍を見せることができるか。今後も脇の成長に注目が集まる。