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2026.10.19

家族の絆と不屈の闘志…ドンテ・グランタムが東京SRに捧げる熱き想い【TOBI»RUSH】

  • バスケットボールキング

 アスリートが歩んできた人生の「キオク」の扉を次々と開き、そこからつながる「ミライ」への誓いや展望をアーカイブする連続インタビュー企画『TOBI»RUSH(トビラッシュ)~キオクとミライをつなぐドア~』。

 今回、その扉を開いたのは、東京サンロッカーズで背番号1を背負うSF/PF、ドンテ・グランタムだ。203cmの長身と強靭なフィジカルを武器に、攻守両面でチームの要となる彼は、コート上で圧倒的な存在感を放っている。

「今のご自身を一言で表すとしたら?」という問いに対し、グランタムは「熱心で、規律を守り、とても献身的で、そして…スポーツをプレーする喜びを見出そうとする人かな」と、プロアスリートとしての真摯な覚悟を口にした。その一方で、競技から離れた時の自身については「楽しくておもしろい、ちょっとふざけてる感じ? 日本語でいうと…“遊び心がある”みたいな」と表現し、親しみやすい柔らかな一面も覗かせる。

◆「出場しなくても君がチームにどれだけ大事か」――絶望から救った仲間との絆

 グランタムのバスケットボールの原点は、故郷での家族や友人との温かい時間にある。「地元では(バスケは)家族みんなで楽しむスポーツで、家族全員やってたよ。友人たちと成長していくなかで、みんなもバスケが大好きだった。だから毎日、公園でただ遊んでいたんだけど、大きくなるにつれ、どんどん本気になっていった」と、純粋に競技を楽しんでいた少年時代を振り返る。「バスケをやってるときにお姉ちゃんからよく意地悪されたなあ」という微笑ましいエピソードも、彼を成長させる糧となっていたようだ。

 彼が競技に本気で打ち込み始めたのは10歳の頃。「中学校に上がるより前から真剣にやってたからね。年中バスケをやってた」と、当時の熱中ぶりを語る。

 しかし、その道のりは決して平坦ではなかった。彼が「いちばん大変なことのひとつだった」と語るのが、米クレムソン大学時代に襲われた大ケガだ。「もとに戻れるか分からなかったし、これでキャリアが台無しになってしまうかもしれない」という深い絶望と恐怖を感じたなかで、彼を支えたのは、周囲の人々だった。「できることをやり続けることが大事だったんだ。家族やコーチ、地元の仲間たちも支えになった。メンタルを保つために本を読んだりもした」と明かした。

「今でもふと思い出す忘れられない瞬間」として彼が挙げたのも、このケガの時期の出来事だ。チームが全米ベスト16(SWEET 16)に進出した際、彼はケガのためプレーで貢献できなかった。しかし、コーチや家族は「出場しなくても、君がチームにどれだけ大事か」と彼を励まし続けた。「それで乗り越えられたんだ」と語る彼の言葉からは、周囲への深い感謝が滲み出ている。

◆「チームの偉大な選手として記憶されたい」東京SRでインパクトを残す覚悟

 プロ入り後も、厳しい現実にも直面した。「アメリカでバスケをやって育ってきたなら、NBAに行くしかない、じゃないと失敗だと。だから、最初の2シーズンが終わった時点で残れなかったから、自分は失敗だと思ったんだ」と振り返る。しかし、世界にはたくさんのリーグがあり、別の場所でも素晴らしいチャンスを掴めることに気づいた彼は、新たな場所で己を証明する道を選んだ。「プロとして誇りがあるし、どこから来たのかも知られている。僕は自分だけを代表しているわけじゃないんだよ」という強い責任感が、彼のプレーを支えている。

 そんな彼が競技に向き合う上で最も大切にしているのは「バスケへの愛」だ。「幸せなことにバスケで稼いで、自分と家族の生活を支えることができている。でも、今でも10歳の頃のようにバスケが大好きなんだ」と、バスケットボールへの純粋な情熱を燃やし続けている。

 これからのキャリアで実現したいことについては「クラブで優勝できるようになりたい」と力強く宣言した。「チームの偉大な選手として記憶されたい。ただ一年だけ来て、クラブを去っていく選手になりたくない。1クラブでインパクトを残したい」と、東京サンロッカーズへの深い愛情と献身を誓った。

 一人の人間としては「地元の人たちが尊敬できる人物になりたい。子どもの頃、立ちはだかっていた数々の困難を乗り越え、それで若者たちに前向きな影響を与えたいんだ」と、次世代への想いを語る。

 ファンに向けて見せたい景色は「情熱を持ってプレーして、ユニフォームに入ったクラブの名を背負って、誇りを持って戦う男」としての姿。「チームメイトやファンを大切にして、スポンサーのことも考える。ただ単にお金をもらって、出ていくだけの人じゃなくてね」と、長らくクラブが遠ざかっているプレーオフ進出、そして優勝へと導くために、彼は全力を尽くす覚悟だ。

 最後に、未来の自分への宣言として、彼は自身の信条を口にした。「自分がしてほしいと思うように相手にも接すること。だから、いつも誰に対しても礼儀正しく接するんだ。だって、僕も敬意を持って接してほしいからね。ずっとそれを心がけてきたよ。今もだし、子どもの頃からも大人になってからもずっとね」。

 バスケットボールへの純粋な愛と、困難な時期を支えてくれた周囲への深い感謝。そして、コートに立つ者としての確固たるプライド。ドンテ・グランタムの言葉からは、彼の温かくも力強い人間性が真っ直ぐに伝わってくる。

【動画】東京SR・グランタムが語る「キオク」と「ミライ」