チケット購入

B.MAGAZINE

Bリーグ選抜チーム「B.LEAGUE UNITED」がデンバー・ナゲッツと対戦【選手・HCコメント】

2025.07.15

見どころ・レポート

 

B.LEAGUE UNITEDアメリカ遠征第3戦はデンバー・ナゲッツとの対戦。前回の試合からオフを挟んでリフレッシュしたのち1日練習を行い、戦術をさらにアジャストしたB.LEAGUE UNITEDは、試合序盤からこれまでの2試合にはない攻めの姿勢で臨んだ。

 

スタートは#5中村拓人選手(群馬)、#12今村佳太選手(名古屋D)、#20トロイ・マーフィージュニア選手(SR渋谷)、#25ヴィンセント・エドワーズ選手、#35ドノバン・スミス選手と、過去2試合と同じ顔ぶれとなった。

 

立ち上がり、#5中村選手がスティールからそのまま独走しレイアップで先制点を挙げる。開始1分30秒で#20マーフィージュニア選手の3Pシュートが決まると、その後ようやくデンバーが得点。5-2となるが、#35Dスミス選手がファウルをもらいフリースローを決め再び5点のリードを奪う。さらに#35Dスミス選手のブロックショットが起点となった攻撃では、#12今村選手が今日1本目の3Pシュートを決めリードを8点に広げた。その後ターンオーバーからデンバーに得点を奪われるが連続得点は許さず。試合開始5分経過時点で6−16とリードを二桁に広げた。

 

デンバーの強烈なダンクが決まったところで水野HCがタイムアウトを要求し、ディフェンスを立て直す。タイムアウト開けではメンバーを入れ替えて#6加藤嵩都選手(名古屋D)、#10細川一輝選手(群馬)、#30ジョニビウス・スミス選手を投入した。#6加藤選手が早速キレの良いドライブで切り込むが得点には繋がらず。逆にここからデンバーが連続12得点のランで、1Q残り2分半でB.LEAGUE UNITEDのリードは1点に縮まった。残り1分半をきったところでデンバー#22テレンス・ハーグローヴジュニアの3Pシュートで逆転、初めてリードを許し16-18となる。残り時間10秒ほどで#10細川選手の3Pシュートが決まり19-18と土壇場で再びリードしたが、最後はデンバーのパスワークから時間ギリギリで得点を許し、19-20で1Qを終えた。

 

2Qのスタートは#6加藤選手、#10細川選手、#14淺野ケニー選手(群馬)、#33アリンゼ・チドム選手、#35 Dスミス選手。オフェンスリバウンドから#14淺野選手が初得点。またしてもB.LEAGUE UNITEDが先制点を奪ったが、相手選手へのファウルからフリースローを与え2-2の同点に。B.LEAGUE UNITEDは、#中村選手、#25エドワーズ選手を投入するも、水野HCが「このチームの課題」と指摘するターンオーバーを許し、デンバー#6レイン・スミス選手が落ち着いてレイアップ。さらに同選手が3Pシュートで連続得点を挙げた。ここでB.LEAGUE UNITEDは、#20マーフィージュニア選手、#24トビンマーカス海舟選手(福井)が入るも、流れはデンバーのまま連続7得点で2-9となった。2Q残り7:33で取ったタイムアウト開けでは、オフェンスリバウンドから#5中村選手がスリーを沈め5-9。一方デンバーも、#4リース・ベークマン選手がスリーで応戦。お互いに得点を重ねるも、残り5分をきったところで7-18と二桁に点差を広げられる。しかし、ラスト2:06#6加藤選手の鋭いドライブから#33チドム選手のパスが通り、ゴール下でファウルを受けながらタフショットを沈める。点差を9-18と一桁に戻したところでB.LEAGUE UNITEDが再びタイムアウトを要求。ここではデイビッド・マクルーアACがオフェンスの動きを確認すると、その後#6加藤選手のスティールからのレイアップや#33チドム選手のスリーで17−22とする。だが反撃はここまでで、最後はデンバーに追加点を許し、17−24で2Qを終えた。

 

3Q、スターティング5は1Qと同じ布陣。#24トビンマーカス選手がベンチメンバーに声をかけハドルを組む。開始早々#35Dスミス選手がゴール下でファウルをもらいフリースローをきっちり2本決めて先制するも、激しく身体をあてにいった#5中村選手のディフェンスはファウルとなりフリースローを与え2-2の同点。残り8:25で再び#35Dスミスがファウルをもらいフリースロー2本を決めて4-2とリードを奪うも、デンバーがスリーを決めて4-5、さらにターンオーバーから得点を許し4-7となった。ここで水野HCはタイムアウトを取り「ターンオーバーしても良いから、その後走って戻ろう」とゲキを飛ばす。残り5:53で7-13とされたが、#10細川選手のディフェンスからボールを奪い、素早いパス回してフリーになった#12今村選手のスリーが決まり10-13と3点差に詰める。#6加藤選手が持ち前のドライブでディフェンスを引き付け#10細川選手への背面パス、このシュートはリングに弾かれたが#33チドム選手のプットバックダンクが決まって12-13となりデンバーがタイムアウト。B.LEAGUE UNITEDベンチはこの日一番の盛り上がりを見せ、ベンチメンバーが歓声を上げながら仲間を迎え入れた。その後も点を奪われながらも#33チドム選手が再びダンクを決め、さらに交代直後の#35Dスミスがスティールでボールを奪うとデンバーはたまらずファウルで止める。このフリースローが決まり、さらに#12今村選手もファウルを受けフリースローを沈め18-17と逆転。水野HCはタイムアウトを要求し、選手に「どうしたい」と意志を確認しながら戦術をアジャスト。しかし、その後は相手のフリースロー、3Pシュート、さらにターンオーバーから得点を許す展開となり、最後は#10細川選手が取り返すも、20-24と一歩追いつかず、3Qを終了した。



 

勝負の4Q。1Q、3Qのスタートメンバーから#5中村選手に代わり#10細川選手を投入。デンバーボールからフリースローを与え、この試合で初めて先制された。開始3分、B.LEAGUE UNITEDは得点を決められないまま0-4とされたが、ここで#10細川選手と#35Dスミス選手が連続スリーを決めて6-4と逆転。その後デンバーにもスリーを決められるが、#30ジョニビウス・スミス選手がダンクをお見舞いし8-7。その後も一進一退の攻防が続き、12-13となったところで#10細川選手がまたもスリーを決め15-13とすると、#24トビンマーカス選手が「それだよ、それだよ!」と鼓舞。しかしデンバーの#22ハーグローヴジュニア選手が強烈なボースハンドダンクで15−15とし、お互いが点を取り合いスコアは2点差以内で推移。残り1:05、20-24となったところでコートに戻った#6加藤選手からのパスで#12今村選手が3Pシュートを決め23-24。さらにラスト22秒で#6加藤選手のディフェンスからターンオーバーを奪い、#12今村選手の放った3Pシュートはほぼブザービーターのタイミングでリングに吸い込まれた。26-24の逆転で試合を終えたかのように思えたが、#12今村選手がシュート直前にラインを踏んでいたとの判定でアウトオブバウンズのコール。無情にも3Pシュートはノーカウントとなり、23-24と惜しくも1点及ばなかった。



 

試合後コメント

 

水野HC

「最初の2クラブはフルコートでハイプレッシャーをかけてくるチームだったので、フィジカル強度に慣れてきた。デンバーはフルコートで来るチームではなかったので、戦いやすく接戦にできた。やはり腕の長さや懐の深さで、いつもの感覚なら通るパスが通らなかったりしてターンオーバーがすごく多くなった。ターンオーバー22個から33点取られてしまっている。それが減らせればもっと失点も抑えられた。選手も慣れてきて、これまで以上に積極的にプレーするようになった。負けて正直悔しい、だけどその気持ちになれる土俵に来られたのは成長の証なので、ポジティブに捉えたい。今回のチャレンジの中で選手たちが得た経験や気づきを日本の自分のクラブに帰ってどう還元してくれるかが楽しみ。自分もすごく楽しんでいる。ここではミスする前提でチャレンジすることで成長を得ようというスタンスでやっているので、自分にとっても大きな挑戦で、すごく良い学びになっている」

 

#5中村拓人選手

「これまでの試合の反省点をアジャストできて良い試合ができた。最初はこっちの強度に少しびっくりしてしまった部分があったが、そこに慣れてきた。サマーリーグのブルズ戦を見に行ったときに、相手が僕らの初戦をやったラプターズだったので、それを見て本当にすごい経験をさせてもらってるなと実感しました。本当に貴重な機会なので、これを無駄にしないようにしたい。この日本では感じられないインテンシティを日本に帰ったときにチームに還元したい。」

 

#12今村佳太選手

「(最後のプレーについて)みんなに怒られました(笑)。でもみんなが集中して良い強度で戦えた。初日のラプターズの強烈な強度を体験できたのはありがたかった。それがあったから、今日ここまでできた。日本に帰ったら、僕自身が一番レイジーにならずに、ラプターズの強度やコミュニケーション、一体感を学んで目指さなきゃいけない。この感覚をなくさないように、その意識を強くもって、一番自分が自分に厳しく。これまでのスタンダードが低かったと思わされたので、自分がまず自分でそのスタンダードを上げてチームに見せようと思う。そのマインドの部分がすごく変わった。ほぼ全Bリーグの選手がそうだと思うが、いざ海外に出るとその“スタンダード”は低いはず。甘んじてる部分が絶対にあるので、そこに気付かされたし、そういうのを感じることができないと、このリーグは世界2位を目指すと言ってるけど、全く及んでいない。(自分のような)ある程度リーグで経験のある選手も、その意識をもってリーグのスタンダードを上げて、下の子たちに示していかないといけない。河村選手や馬場選手のような人たちに僕は勝っていかなきゃいけない、国内だけでやっていても強くなれないと思った。すごく意識を変えさせられた経験になった。常にうまくなりたいと思っているので、また来年もしあれば求めていきたいし、また次につなげていきたい。」

関連記事

PICKUP VIDEO

Bリーグ
オリジナル特集