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2026.10.14

Bリーグ開幕動員は過去最多に「なぜ平日開催なのか?」島田コミッショナーが明かした3つの意義と3年計画

  • 月刊バスケットボール

平日増でも最多動員。懸念を覆す開幕


Bリーグは10月13日の理事会後メディアブリーフィングにて、2026-27シーズン開幕節(10月4日時点)のマーケティングレポートを公開した。新設された最高峰カテゴリー「B.PREMIER」を中心に平日開催の試合数が大幅に増加し、開幕前は集客への苦戦が懸念されていたものの、全体の開幕入場者数は過去最多となる44万3,372人を記録。B.PREMIER単体でも平均5,658人を動員(開幕~10月4日の累計)し、旧B1を上回る好スタートを切った。島田慎二コミッショナーは、平日開催導入の背景にある「露出向上」「試合強度の担保」「アリーナと地域経済の共存」という3つの意義を強調。「文化の定着には3年かかる」と今後の展望を語った。

新たな構造改革「B.革新」の幕開けとなった2026-27シーズン。カテゴリー再編に伴い、特にB.PREMIERで水曜・木曜などの平日開催が増加したことから、ファンの間では「平日に集客できるのか」「客足が落ちるのではないか」という懸念の声も少なくなかった。

しかし、蓋を開けてみれば力強い数字が並んだ。10月4日時点の開幕入場者数は全カテゴリー合算で44万3,372人を記録し、前シーズンの開幕第2節時点(37万5,648人)から約6万7,000人増となった。  
もっとも、この全体動員の増加には「リーグ再編に伴い旧B3クラブが統合され、比較対象が昨季のB1・B2(計80試合)から新3カテゴリー(計108試合)へと広がった」という構造変化があることも知っておかなければならあい。旧B3勢が加わったことで全体平均入場者数自体は4,696人から4,105人へと減少しているものの、リーグ全体のパイとしては確実に拡大している。

特筆すべきは、平日開催増の渦中にある最高峰「B.PREMIER」の動向だ。B.PREMIERは合計29万4,224人を集め、平均は5,658人を記録。旧B1の開幕平均(5,443人)を215人上回る活況を見せた。クラブ別では、ホームアリーナを変更した東京SRや、アリーナ改修を完了させた富山、豊橋市総合体育館での共催を進める三遠などが好調な出足を見せている。  
また、旧B2・B3が再編された「B.ONE」では有明アリーナ開催を行った東京Uがけん引し、「B.NEXT」でも湘南や山口がB3時代から動員を伸ばすなど、各カテゴリーで新リーグ移行に伴うポジティブな変化が表れている。

連戦廃止と地方創生。平日開催の3大意義


メディアブリーフィングの質疑応答では、平日開催導入の真意について質問が及んだ。島田慎二コミッショナーは、平日開催が単なるスケジュール都合ではなく、明確な3つの大局的判断に基づいていることを詳細に明かした。

第1の理由は「メディア露出の分散とプレゼンス向上」だ。「週末の様々なスポーツがひしめく中で埋もれてしまうより、平日にゲームがあった方が競争が少なく、メディアの露出が増えてバスケのプレゼンスを上げていける」と、露出効果への期待を語る。

第2の理由は、世界基準の「競技力強化とコンディション保護」である。従来の同一カード2連戦(バックトゥバック)は、世界的に見ても極めて過密な日程であった。「来日した外国籍選手がまず驚き、アジャストに苦労するのがバックトゥバックだった。翌日に試合があるからとペース配分するのではなく、ファンに最高の強度(インテンシティ)と最高のクオリティの商品を見せていくサービス提供者の思想として、中1日以上を空ける日程にトライした。その結果として平日へ試合がズレ込む恩恵が生まれる」と説明する。

そして第3の理由こそが、地方創生リーグを掲げるBリーグの「アリーナ戦略」だ。日本全国で新アリーナ建設が進む中、週末はコンサートや大型イベントなど、地域外から人を呼び込むコンテンツの需要が極めて高い。  



島田コミッショナーは「全国のアリーナで最もニーズが高い週末を我々が独占してしまえば、地域経済の起爆剤になる他コンテンツをどかすことになってしまう。Bリーグが力をつけて平日でも満員にできるようになれば、地域にとってのトータルの経済効果は最大化する。大きな財政出動をしてアリーナ整備を決断してくださった自治体に対し、大局観を持って恩返しをすべき」と、地方活性化への責任感を口にした。

もちろん、平日の夜に観客を集めるハードルの高さはリーグ側も百も承知。特に地方クラブを中心に現場の苦労は続いており、気候が寒くなる11月から1月にかけての動員が最初の正念場となる。

この点について島田コミッショナーは「今評価するのは時期尚早です。文化が根付くには時間がかかる。今年の結果だけで判断するのではなく、数年かけて平日でも当たり前にお客さんが呼べるようになった時、Bリーグは地域にとって真に価値ある存在になれる」と強調。続けて「まず短期的な2、3年、新アリーナが一段と増える2028年シーズン頃までにフォーマットを定着させ、さらに2030年に向けてアリーナが次々に完成していく中で、違和感なくアジャストしていきたい」とロードマップを見据えた。

日本のスポーツ観戦の常識を塗り替える平日開催の挑戦。コート上の熱狂を平日にも生み出し、アリーナを満員にする文化を築けるかどうかに、Bリーグの真の地力が試されている。