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紙コップの循環から未来の森へ——王子ホールディングス・淺野友純氏が語る「Renewa(リニューワ)」【B.Hope ACTIONインタビュー第2回】

2026.07.09

B.Hope

【(C)B.LEAGUE】
 

創業精神が紡ぐ、B.LEAGUEと取り組むサステナブルな未来

 

激闘となった「りそなグループB.LEAGUE FINALS 2025-26」の舞台裏で、アリーナの熱気とともに繰り広げられたB.LEAGUEの社会貢献活動「B.Hope ACTION」。バスケの力を通じて社会課題に挑むパートナー企業に迫るインタビュー第2弾として紹介するのが王子ホールディングスの活動です。

同社は、アリーナで使用される紙コップを分別回収し、再び資源へと戻す企業連携型リサイクルシステム「Renewa(リニューワ)」を導入。100年以上受け継がれている「木を使うものは木を植える義務がある」という精神を背景に、スポーツアリーナを舞台にした資源循環の仕組みを構築しました。今回は同社の淺野友純氏に、「目に見える循環」の成果と、全国の広大な社有林を舞台にした未来構想について話を聞きました。
 

——王子ホールディングスがB.Hope ACTIONに参加を決めた理由、狙いを教えてください。

淺野 大きく2つあります。1つ目は、B.LEAGUEが持つ幅広い層への「圧倒的な発信力と求心力」への期待です。 弊社は2012年に「王子ホールディングス」へと体制移行してから10年以上が経ちますが、BtoB企業ということもあり、若い世代の認知度がリクルートにおける喫緊の課題となっていました。B.LEAGUEの試合では他のスポーツと比べても若いファンやご家族連れが非常に多く、私たちがアプローチしたい層へダイレクトに届くのではないかと感じました。

もう1つが、B.LEAGUEがリーグを挙げて“社会のハブ”となり、社会課題の解決に取り組む姿勢に深く共感したからです。 弊社は、あらゆる紙製品を手がける総合製紙メーカーです。自分たちで木を植えて、育てて、紙をつくり、さらに使い終わった紙もリサイクルして再び紙にするということをやってきました。事業そのものが、昨今話題のSDGs的な発想に立っている珍しい会社です。私たちの事業の根底にあるのが、森林の育成と森林資源の活用です。広報的な狙いだけではなく社会課題に向き合う私たちの姿勢とB.LEAGUEの取り組みは本質的に合致しており、双方のアセットを掛け合わせることで、より大きな相乗効果を生み出せるのではないかと考えました。
 

【(C)B.LEAGUE】
 

——「りそなグループ B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2026 IN NAGASAKI」、「りそなグループ B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2025-26」での「分別ありがとうACTION」は、御社の企業連携型リサイクルシステム「Renewa(リニューワ)」が導入されました。経緯について教えてください。

淺野 「Renewa(リニューワ)」自体は、B.LEAGUEとの連携前から、ファストフードショップやコーヒーショップの一部店舗で回収・リサイクルの実験的導入を進めていた比較的新しい仕組みです。紙カップはスポーツ会場との親和性が非常に高いため、ぜひB.LEAGUEの会場でも導入させていただけないかとご相談したのがきっかけでした。
 

【(C)B.LEAGUE】
 

——ファンの方と直接触れ合う機会だったと思いますが、率直な手応えはいかがでしょうか?

淺野 社内でもみんなが口を揃えて「本当にやってよかったね」と言い合うほどの大成功でした。一度きりの協賛では認知の定着は難しいので、今後も根気強く活動を続けたいと考えています。

現場では回収ボックスの横に立って分別を促す案内も行ったのですが、来場されるファンの皆様のマナーの良さに驚かされました。嫌な顔一つせず、当たり前のように綺麗に分別して紙カップを捨ててくださります。異物の混入もほとんどなく、非常にスムーズにリサイクルプロセスへと回すことができました。B.LEAGUEのファンや会場には、すでに高い環境意識が根付いているのだなと実感しましたね。
 

【(C)B.LEAGUE】

——「りそなグループ B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2026 IN NAGASAKI」でのアクションでは、B.LEAGUEの選手や子供たちが参加する環境バスケプログラムなどのイベントも開催されていました。そうした連携による効果はどう感じていますか?

淺野 私たち企業が「リサイクルしましょう」と発信すると、どうしても一方的で教育的なメッセージになりがちです。しかし選手の皆さんがフックとなって「一緒にリサイクルをしよう」と呼びかけてくれたり、子どもたちと一緒にリサイクルを学ぶバスケットボールのプログラムを組んでいただいたりしたことで、ファンも子どもたちも楽しみながら自然と環境保護の意義を理解してくれる機会になりました。私たちだけでは、あれほどの笑顔や前向きな理解は生み出せませんでした。

B.LEAGUEとご一緒させていただいた効果は非常に大きかったです。また、SNSでの施策や、会場のさまざまなアイテムにグループのロゴを掲載していただいたことで、認知拡大にも確かな手応えを感じています。
 

【(C)B.LEAGUE】

——会場で回収された紙カップは、どのように生まれ変わるのでしょうか?


淺野 オールスターの会場で集めた紙カップはすでにトイレットペーパーとなり、ファイナルの会場で集めたものは紙製のハンドタオルへとリサイクルされました。日常生活やイベントで出たゴミが資源として使われ、目に見える形で別の製品に生まれ変わり、循環していく。このストーリーを、インタビューや記事を通じてファンの皆様に知っていただけるのも、非常に良い循環だと考えています。
 

——今後、B.HopeやB.LEAGUEと共に取り組んでみたいアイデアや展望があれば教えてください。

淺野 ぜひチャレンジしたいと考えているのが、私たちの社有林を活用した「B.LEAGUEの森」構想です。弊社は日本全国に大阪府の面積とほぼ同じ広さの社有林を持っており、民間企業としては日本一の面積を保有しています。B.LEAGUEも日本各地にクラブを持っていらっしゃるので、各地で、選手やファンの皆さんと一緒に植樹するイベントができたら面白いなと思っています。

リサイクル活動はイベント期間中の数日間ですが、植えた木が成長するには40年、50年という年月がかかります。一過性のイベントに留まらず、中長期的にB.LEAGUE、ファン、そして私たちを繋ぐプロジェクトにしていけたらと考えています。「木はこうして時間をかけて育ち、人の手が入ることで健やかに成長していく」ということを、実体験を通じて知っていただけるプログラムになればと、楽しみにしています。また、大会のパンフレットや、アリーナの飲食で使われるホットフードの油を弾く紙皿など、スポーツイベントに関わるさまざまなペーパーアイテムでもコラボレーションを広げていきたいです。
 

——その社有林の根底にあるのが、「木を使うものは木を植える義務がある」という理念とのことですが、詳しく教えていただけますか。

淺野  私たちの会社には、1920年代に社長を務めた藤原銀次郎が唱えた「木を使うものは木を植える義務がある」という考えが脈々と受け継がれています。これは単なる慈善事業ではなく、木を原料として商売をさせていただいている以上、その資源を自分たちで育てて循環させていく責任があるという考え方です。

SDGsやサステナブルといった言葉がよく聞かれますが、私たちにとってはずっと続けてきた事業の延長線上にあります。石油やプラスチックとは異なり、木は植えて育てれば再生し続ける資源です。その循環を通じて人々の暮らしを支え、守っていくことが私たちの使命だと考えています。

B.Hopeが掲げられている「大好きなバスケができる街をずっと守っていたい」というキャッチフレーズをお聞きした時、私たちの「事業を通じて人々の当たり前の日々を支える」という想いと共鳴していると感じ、嬉しく思いました。
 

——最後に、B.LEAGUEのファンの方に向けてメッセージをお願いします。

淺野 アリーナは、バスケや選手との出会いを純粋に楽しんでいただく場です。まずはその素晴らしい熱気とエネルギーを皆様と共有させていただけることをありがたく感じています。会場で「この紙カップがリサイクルされるんだな」「王子グループってわくわくする会社だな」と頭の片隅に置いていただけたら嬉しいです。弊社としては一過性の派手な露出ではなく、細く長くアリーナに寄り添い、「そういえば、ずっとそこにいるな」と思っていただけるような存在でありたいと考えております。皆様にぜひお見知りおきいただけると光栄です。

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