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未来年表 ~ドラフト指名選手の10年計画~ Vol.1 山﨑一渉(東京サンロッカーズ)

2026.08.25

選手

 

『B.LEAGUE DRAFT 2026』で指名を受け、プロアスリートとして最初の一歩を踏み出した選手たち。彼らは今、どのような景色を見つめ、10年後の自分をどのように描いているのか。本企画では、コート上の野心からオフコートの私生活まで、自ら書き込んだ「未来年表」を元にキャリアの展望を伺う。第1回は1巡目1位(全体1位)で指名された、東京サンロッカーズの山﨑一渉に話を聞いた。

23歳

「レギュラーシーズン地区優勝」「PO優勝」「新人賞」

1年目からクラブの勝利に貢献して、チームメートのみんなと一緒にレギュラーシーズンとプレーオフで優勝したいです。個人としては新人賞も獲りたいと思っています。
まだチームの練習も始まっていないので、どれくらい試合に出られるかは分かりません。ただ、チームに貢献できる自信はありますし、しっかり試合に絡んで、勝利に貢献できる選手でありたいです。
 ドラフト全体1位や、アメリカの大学から加入する選手として期待されることへのプレッシャーは、あまり考えていません。まずは今いる場所で、自分ができることや目の前のことに集中する。その積み重ねの先に、優勝や新人賞が見えてくると思っています。
大学時代は「NBAに行きたい」という思いが強くなりすぎて、自分の現在地とのギャップに焦り、空回りしたこともありました。その経験から、今を100パーセントで取り組むことを大事にしています。

プロ1年目から活躍が期待される山﨑【(C)伊藤大允】
 

24歳

「FIBAワールドカップ代表メンバー入り」「地区優勝」「PO優勝」

 

昨年からA代表のキャンプに呼んでもらっていますが、Bリーグのトップ選手たちと一緒にプレーして、そのレベルの高さを感じました。自分の力を練習から十分に出せていないとも思っています。
 まずはBリーグで1シーズン経験を積み、日本代表のトップ選手たちとの練習でも自分の力を発揮できるようになりたいです。そして、ワールドカップを戦う12人に入り、日本代表としてプレーしたいです。
 高校からアメリカの大学へ進んだ時にも、大きなレベルの差を感じました。日本では大きくて動けて、シュートも打てることが自分の強みでしたが、アメリカには自分より大きく、速く、強く、うまい選手がたくさんいました。入学当初は、自分がチームで一番下手なのではないかと思うほどでした。
 それでも辞めずに努力を続け、ケガも乗り越えながら、上級生になるにつれて少しずつ結果を残せるようになりました。苦しい時期に支えてくれたのは家族や友人です。「応援してくれる人たちのためにも、ここで折れていられない」と思えたことが、リハビリやスキルアップに取り組む力になりました。
 

25歳

「オリンピック代表の勝利に貢献」「地区優勝」「PO優勝」

ワールドカップのメンバーに入り、その経験を積んだ上で、ロサンゼルスオリンピックの日本代表に選ばれたいです。ただメンバーに入るのではなく、試合に出て、日本の勝利に貢献できる選手になっていたいと思っています。
以前は、ワールドカップやオリンピックで戦う選手たちは、テレビの向こう側にいる有名選手という感覚でした。A代表の合宿に参加し、国際大会を経験した選手たちと練習するようになったことで、その舞台のレベルを少しずつ想像できるようになりました。同時に、今の自分はまだまだ足りないとも感じています。
 東京サンロッカーズの選手としては、Bリーグ3連覇を目指します。ドラフトで素晴らしいチームに指名していただいたことを光栄に感じていますし、幸運だとも思っています。最初はチーム最年少として先輩たちについていく立場だと思いますが、この頃には自分がチームを引っ張り、優勝へ導ける選手になりたいです。

 

近い将来に東京SRを引っ張る存在へ【(C)バスケットボールキング編集部】
 

26歳

「サマーリーグ参加」「Gリーグ、NBA挑戦」

正直、今はまだNBAでプレーしている自分の姿を想像できません。NCAAでの経験や、河村勇輝さん、渡邊雄太さんたちと練習した経験から考えても、GリーグやNBAは、今の自分からは見えないほど遠いレベルだと感じています。
 それでも、23歳から25歳までBリーグや日本代表で経験を積み、26歳の頃には本気で挑戦できる現在地まで到達していたい。その思いから、サマーリーグ、Gリーグ、NBAへの挑戦を書きました。
 その頃にはシュートを超一流の武器にしながら、ハンドラーとしてもプレーできる選手になっていたいです。ボールを持たない時の動きだけでなく、自分でプレーを作る力も完成に近づけたいと思っています。
 イメージしているのは(渡邊)雄太さんのようなプレーヤーです。身長がありながらシュートやドライブができて、ボールを使う側にもなれる。ミスマッチが生まれれば、ポストもできる。今もそうした練習に取り組んでいますが、まだまだ足りません。
 BリーグからNBAへ挑戦するには、河村さんのようにワールドカップやオリンピックで活躍し、国内でも圧倒的な結果を残すくらいの選手にならなければ、チャンスはないと思っています。

27歳

「日本代表の主力に」「Gリーグ、NBA挑戦」

28歳

「ワールドカップで活躍」「Gリーグ、NBA挑戦」

29歳

「オリンピックで活躍」「Gリーグ、NBA挑戦」

27歳頃には日本代表のスターティングファイブに入り、長い時間コートに立って、日本のために戦える選手になっていたいです。
 代表キャンプで河村さんや雄太さん、西田優大さんたちと一緒にプレーすると、自然と周囲を引っ張る雰囲気を感じます。僕は言葉で引っ張るタイプではありませんが、将来は後輩たちから同じように感じてもらえる選手になりたいです。
 28歳のワールドカップ、29歳のオリンピックでは、日本代表の主力としてチームをけん引したいです。パリオリンピックのフランス戦を見ても、日本は全く勝てない相手と戦っていたわけではないと感じました。自分が代表でプレーする時には、強豪国からしっかり1勝を挙げられるチームにしたいです。
 勝てるチームは、良い選手がそろっているだけではないと思っています。学生時代の経験ではありますが、高校2年生の時にウインターカップで優勝したチームは、大事な場面でそれまで取り組んできたことを徹底し、最後まで頑張ることができました。サンロッカーズや代表でも、そうしたカルチャーを作る一人になりたいです。

2025年7月にA代表デビューを果たした【(C)伊藤大允】
 

30歳

「母に家を買う」「豪華なオフシーズン」

30歳の目標には「豪華なオフシーズン」と書きました。八村塁さんがインスタグラムに載せているようなオフを一度は過ごしてみたいですね(笑)。26歳頃から海外へ挑戦していたら、なかなかゆっくり過ごせるオフは少なくなると思います。だからこそ、この頃には充実したオフシーズンを過ごせるくらいの選手になっていたいです。
 もう一つは、お母さんに家を買うことです。小学生の頃から、自分がバスケットボールを続けられるように、たくさんのことを犠牲にして支えてくれました。これからも夢を追えば追うほどお母さんはサポートしてくれると思いますし、感謝の思いを込めて書きました。
 小さい頃は、おもちゃが欲しくて駄々をこねたり、仮病を使って保健室から早退したりして怒られたこともありました(笑)。でも本当に優しいお母さんです。高校時代は、千葉から宮城まで練習試合にもほとんど毎回のように来てくれて、インターハイやウインターカップにも足を運んでくれました。大学のシニアナイト(※4年生を送る試合)には、家族みんなでアメリカまで来てくれました。そうした感謝を、きちんと形にして返したいです。

 

母との思い出を振り返り笑顔【(C)伊藤大允】
 

31歳

「BリーグMVP」

32歳

「BリーグMVP」

 

31歳か32歳頃には海外挑戦を終えて日本へ戻り、日本のバスケットボール界の顔と呼ばれる選手になっていたいですね。Bリーグを盛り上げながら、MVPを獲れるだけの実力を備えていたいと思っています。
 NBAは選手の世代交代が速いので、30歳や31歳までプレーできたら、それだけでもすごいことだと思います。その経験を持ち帰り、一番良い状態でBリーグに戻って活躍するのが理想です。
 プレースタイルとしては、26歳の頃に目指していた姿をさらに進化させた“最終形態”です。高い身長を生かしながらシュートを決め、ドライブやハンドリング、ポストプレーもできる、自分にとっての完成形になっていたいですね。
 もちろん、この頃にアメリカ以外の海外でプレーする選択肢もあるかもしれませんが、僕は日本でプレーしたいですね。大学時代にアメリカで生活したからこそ、日本の良さに改めて気づきました。日本はご飯がおいしいですし、家族や仲の良い友人ともすぐに会えます。将来的には自分が得た経験を日本に還元しながら、Bリーグを代表する選手としてプレーしたいです。
 

日本全国を飛び回る遠征も楽しみの一つ【(C)伊藤大允】
 

10年間の目標から一つだけ選ぶとすれば「Gリーグ、NBA挑戦」です。今は想像できないからこそ、26歳の時には挑戦できるくらいの選手になっていたいですし、焦らず、今やるべきことに全力で取り組み、その先にあるチャンスをつかみたいです。

いよいよBリーグの選手としてのキャリアがスタートしますが、全国各地へ遠征することになるので、これまで行ったことのない地域を訪れるのも楽しみですね。高校時代を過ごした仙台ではゼビオアリーナで試合をした経験もあるので、あまりアウェーという感じはしないかもしれません。まだ行ったことのない北海道や、アリーナや街が魅力的な沖縄に行くのも楽しみです。
 

インタビュー=藤田皓己(バスケットボールキング)

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