バスケットLIVE

B.MAGAZINE

寺坂 優羽/独自の道でプロを目指す、今ドラフト第1号志願選手 B.LEAGUE DRAFT 2026

2026.01.27

選手

日本バスケットボール界が大きな転換期を迎えるなかで開催される「B.LEAGUE DRAFT 2026」 。この舞台に立つ候補選手たちは、いま何を想い、どのような覚悟でプロへの扉を叩こうとしているのでしょうか 。本連載は、実績やデータだけでは見えてこない彼らの”等身大の声”に迫ります。度重なる苦難を乗り越えた不屈の精神や、チームのために徹した献身的な姿勢 。一人のアスリートとして、人間として歩んできたこれまでの軌跡と、新たなステージへの決意 。ドラフトという運命の日を目前に控えた、彼らの「現在地」を届けます。

寺坂 優羽

てらさか・ゆうま/所属なし/186cm・76kg/PG・SG/2005年7月21日(20歳)/東海大学付属諏訪高校卒/静岡県出身
※年齢はドラフト当日の2026年1月29日時点

プロバスケットボール選手になるなめには、やはり“王道ルート”が存在します。

中学校、高校、大学で全国レベルの優れた成績を残し、特別指定選手などでプロの世界を経験した上で本契約。多くの選手がこのルートをたどってきたわけですが、当然、その道を外れたからといってプロ選手になれないわけではありません。
 

「B.LEAGUE DRAFT」が最上位カテゴリーである、B.PREMIER入りの登竜門として制定された今、その志願第1号としても注目を集めた寺坂優羽選手は、道なき道を歩んで頂きを目指す開拓者の一人です。
 

静岡県出身の現在20歳。兄の影響でバスケットボールを始め、高校は長野県の名門・東海大学付属諏訪高校でプレーしました。2年時からは中心選手として出場機会を勝ち取ると、3年時にはキャプテンに就任。もともとはプレーで示すタイプの「ヤンチャな選手だった」と自認する寺坂選手がキャプテンになったことを知ると、周囲の人々は「お前がキャプテン⁉︎」という驚きの声を上げたといいます。

東海大学付属諏訪高校では3年時にキャプテンを務めた。プレー面ではダイナミックなドライブやジャンパーで得点源に【(C)月刊バスケットボール】

それでも日々、自問自答する中でチームをまとめ、自身の練習への取り組み方も変えていきました。そして、高校3年時のウインターカップ後には「チームを勝たせることを優先できたので、本当に悔いのない大会になりました」と晴れやかな表情を浮かべていました。
 

そもそも東海大学付属諏訪高校に進学した理由も、「今後につなげるための3年間」と捉えたときに「この高校だ」としっくりきたから。豪快かつアスレチズムにあふれる、華やかなプレーが目を引く「ヤンチャな選手」であった彼ですが、実はしっかりと計算立てしたキャリアを選択していたのです。それだけに、山梨学院大学に入学後すぐに退学という道を選択したことに驚かされた人々も当時は多かったはず。
 

寺坂選手は決断の経緯について、当時のチーム事情から自身が望むポジションとは異なるポジションで起用されてしまったこと、そして「自分が一番下の立場に身を置きたかった」ことが大きく影響していると話します。「バスケをする上で、自分が一番下の立場になる環境に身を置きたいと思っています。大学ではスタートで使ってもらえる試合もあったのですが、それが当たり前ではない世界がもちろんあります。そういう思いは強かったです」

豪快かつアスレチズムにあふれる、華やかなプレーで魅了する【(C)月刊バスケットボール】

大学を離れたあとは、知人の紹介なども受けながら使える体育館を点々とする日々。練習環境はお世辞にも良いとは言えない中でも、栄養面とトレーニングに関しては、「兄がそういう仕事をしているので、全面的に協力してもらっています」とストイックに過ごしてきたといいます。
 

これまでは当たり前にあった環境がなくなり、全てをセルフマネジメントしなければならない日々。だからこそ、そこに感謝の気持ちがより強く芽生えたと寺坂選手は語ります。そんな中、彼に練習生のオファーを出したのが、地元・静岡県のベルテックス静岡でした。寺坂選手が願っていた「自分が一番下の立場」で練習できる環境がそこにはあったのです。

 

「プロの環境で練習させてもらえて、状況判断に関してはすごく言われました。速い動きの中での判断がそれまではできていなかったし、プロは本当にそこが違うと感じました」
 

こうした経験を重ねた上で、もしプロ入りが叶うのであれば、寺坂選手はどんな強みを打ち出していきたいのか──彼はこう答えました。「どういうバスケをしているのかは、そのチームによって違いますよね。でも、もし僕を取ってくれるチームがあるのであれば、やっているバスケのどこかに僕が当てはめられるということだと思います。チームに当てはまるプレーを早く見つけ出したいです。自分が点を取りにいくのか、ディフェンダーになるのか、そういう(環境に順応する)ことを僕は大事にしています」この言葉どおり、彼自身プロ選手になるのが簡単ではないことは重々承知しており、「B.LEAGUE DRAFT 2026」にはチャレンジできる場があるのであればチャレンジする、というマインドでエントリーしました。
 

「チームを勝たせることを優先できた」と語る高校時代【(C)月刊バスケットボール】

技術もフィジカルもまだまだ伸びしろがある寺坂選手ですが、そのマインドはプロフェッショナルに確実に近付いています。

PICKUP VIDEO

Bリーグ
オリジナル特集