小酒部泰暉インタビュー「このルールでやるとなった以上、やるしかないという気持ち」【B.革新で日常はどう変わる?】

「このルールでやるとなった以上、やるしかない」――。
小酒部泰暉(アルバルク東京)の言葉からは強い覚悟が感じられた。平日開催の増加に伴うコンディション管理、日本人選手の真価が問われる「オンザコートフリー」、そして「サラリーキャップ制度」の導入――。B.LEAGUEは、まさに未知のフェーズを迎えようとしている。それら大きな変化に対して、どんな思いを抱いているのかを聞いた。
——変更点の一つにカーディングがあります。平日開催が増え、ほぼ2日に1度はどこかで試合があることになります。バスケがより日常になるということについて、どのような点に期待していますか?
一番の思いは、平日のナイトゲームであっても、ファンの皆さんでアリーナが満員になるようなスポーツ、バスケットボールになってほしいということです。一番大きく期待しているところはそこですね。
——不規則な日程になりますが、選手として難しい部分も多いのではないでしょうか。
基本は土日と水曜に試合があって。月曜にオフをとって移動して、というのがこれまでは当たり前になっていました。それが平日開催で日程がまばらになるということで、試合をして、オフの日に移動して、その次の日がまた試合、ということも出てきます。そこでのコンディショニングの管理が難しくなってくるのではないかな、というのは心配に思っているところです。
——通常、次の試合まで何日空けばコンディションが整いますか?
3日あればベストですが、2日間あれば整うなという感じですね。
——土日の連戦が減る意味では蓄積する負担は減りますね。また、クラブとしては今までになかったファン層とつながれます。試合のどのような点を楽しんでほしいですか?
バスケの試合ももちろんそうですし、アリーナの施設だったり、グルメだったりを楽しんでほしいなという思いはあります。バスケを知らない方が来ても「楽しかった」と思えるような環境にしていきたいですよね。僕も一度、他のスポーツで一般観客としてTOYOTA ARENA TOKYO(TAT)に行った時に、グルメも楽しみました。TATはどの席からでも見やすいと改めてわかったので、本当に感動的な体験でしたね。

——続いてサラリーキャップについて、率直にご意見をお聞かせください。
現状よりも年俸が下がる選手も出てきてしまうと思いますが、選手全体の価値がどのクラブもそのサラリーキャップ内に収まることになり、ます。自分自身の価値もそうですし、みんなの価値がも同じ物差しで測られることになります。その点については、良いことだとと思います。ただ個人的には、もうちょっと上限が高くてもいいのかな、という印象はあります。プロ野球でも高い年俸だからこそ、露出も多くなる部分があると思うんです。この上限8億という数字現状の数字だと、あまりインパクトがないのかな、というのがは率直な印象です。
——上限を超えられないハードキャップですので、毎年のように主役が変わる可能性があります。
それもいいことだと思います。上限の設定で、一定の優勝チームに有力選手が移籍するといったことが減りますし、同じチームにずっと在籍し続けるというのが少なくなると思います。選手自身としてもおもしろいと感じますし、ファンの方から見ても、いろいろな選手が各地で見られるというのは楽しく感じられるのではないかなと思いますね。

——日本人選手が外国籍選手に挑むというシチュエーションが増えるオンザコートフリーについてはいかがですか?
オンザコートフリーによって、日本人選手の価値や需要が低下してしまうのではないかという不安もあり、率直に言って大変だなと感じています。ただ逆に言えば、競争して勝てば試合に出られる、という意識にもつながると思うので、モチベーションを高く持ってやっていきたいと感じています。このルールでやるとなった以上、やるしかないという気持ちです。
——「B.革新 初年度 2026-27シーズン カーディング発表記者会見」の中で、島田チェアマンはキャップ額の上昇に関する発言もありました。ゲーム以外で、ファンの満足度を上げるためのアイディアはありますか?
会場内で選手とファンの皆さんの距離を縮めることができれば、より一層楽しんでいただけるのではないかと思います。個人的にはバスケをやっていない子も含めてバスケに触れる機会を作れればと思っています。そういう機会を増やしていくことができれば、バスケの認知度も上がると思いますし、B.PREMIER、B.LEAGUE全体の盛り上がりにつながっていくはずだと思います。

——最後にドラフト制度に絡んだ質問をさせてください。今後、B.PREMIERに入るためにはドラフトを経由する必要があります。大学にいる間に準備すべきことをアドバイスしてください。
あまり大きいことは言えませんが、自分自身の光るものを見つけることは大事だと思います。「この選手のこれを見たい」と思わせるものを磨いていくことができれば、大学の試合でも自ずと目に留まることにつながります。

——小酒部選手は学生時代、得点力はもちろん高い身体能力でも話題になりました。加えてディフェンスという武器も磨かれました。学生当時、そういった意識はあったのでしょうか?
いや、B.LEAGUEでのプレーなど先を考えていなかったもので(笑) あの頃は、本当に楽しんでバスケやっていて、得点取ることだけを頑張ってやっていましたね。ディフェンスに関しては、ヘッドコーチだったルカ(・パヴィチェヴィッチHC)のバスケを見て、ディフェンスからやらないと出られないと感じたので、徹底的に練習したんです。
——最後にB.革新初年度となる来季に向けて、ファンにメッセージをお願いします。
B.PREMIERがスタートすると共に平日開催が増えます。なかなか遠征は大変ですし、移動も費用もかかってしまいます。でも、それ以上に自分たちがおもしろいバスケを展開していくことで、ファンの皆さんの期待に応えたいと考えています。ぜひ、1試合でも多く試合に来て応援をお願いします。
