未来年表 ~ドラフト指名選手の10年計画~ Vol.3 武富楓太(佐賀バルーナーズ)

『B.LEAGUE DRAFT 2026』で指名を受け、プロアスリートとして最初の一歩を踏み出した選手たち。彼らは今、どのような景色を見つめ、10年後の自分をどのように描いているのか。本企画では、コート上の野心からオフコートの私生活まで、自ら書き込んだ「未来年表」を元にキャリアの展望を伺う。第3回は3巡目3位(全体11位)で指名された、佐賀バルーナーズの武富楓太に話を聞いた。
23歳(2026-27シーズン)
「1試合平均20分以上のプレータイム獲得」
特別指定選手としての期間は、なかなかプレータイムをもらうことができませんでした。その結果を真摯に受け止めて、まずはりそなグループ Bリーグ 2026-27 シーズンで、1試合に20分以上プレータイムを獲得できる選手になっていきたいです。スタートにこだわるというよりは、同じチームにいる角田太輝選手の負担を軽減できるような存在になりたい。それが最初の目標です。
課題はフィジカルとディフェンスの強度。一方で、昔からの武器であるスピードはプロでも通用するという手応えもあります。もっと視野を広く持って、チームメイトにアシストすることを考えていきたいです。目標は角田選手のように、ディフェンスが強くてプッシュもでき、アウトサイドのシュートも高確率で決められる選手です。実は、角田選手とは親同士も仲が良くて、高校の頃から試合を見に行ったりしていました。身近で偉大な先輩だと思っています。
24歳(2027-28シーズン)
「佐賀のメインガードとして活躍」
プロとしてのキャリアが2年目、3年目と進む24歳から25歳にかけては、佐賀バルーナーズの「メインガード」として、チームの軸となって活躍していたいと考えています。
当然、そこには角田選手という大きな壁があります。ライバル意識というほど尖ったものではないかもしれませんが、同じポジションの選手として切磋琢磨し、いつかは角田選手を超えるような存在になっていかなければなりません。そのためには、ディフェンスの強度はもちろん、シュートの確率においても角田選手を上回るようなスタッツを残す必要があります。それができて初めて、メインガードとしての信頼を勝ち取れると思っています。

僕が考えるメインガードとは、ゲームをコントロールし、クロージングまで責任を持って遂行できるチームの軸。例えば、名古屋ダイヤモンドドルフィンズの齋藤拓実選手のように、味方を生かしながら自分でも得点を取れる、周りも自分も生きるようなプレーが目標です。
25歳(2028-29シーズン)
「優勝に貢献」「アシスト王受賞」「庭&ゴール付きの家を建てる」
25歳になる2028-29シーズンには、佐賀の主力として優勝に貢献したいです。そして個人としても、アシスト王のようなタイトルを受賞したいという目標を持っています。そのためには大きな舞台でも緊張せず、練習でやってきたことをどれだけ出せるかが大事になります。
昨シーズンのファイナルで印象的だったのは、長崎ヴェルカの熊谷航選手でした。体格としては大きくありませんが、オフェンスリバウンドに果敢に絡み、ディフェンスではスティールを狙ってチームを鼓舞し続けていました。自分と同じようなサイズの選手が、あの大舞台でこれだけ貢献できるんだという姿は、僕にとって大きな励みであり目標になりました。
オフコートでは、この時期に庭付きの家を建てたいです。僕は小さい頃、試合に負けた悔しさで外のリングでずっと練習していました。幼稚園の頃に父が立ててくれたそのリングがあったから、今の僕がある。だから、いつか自分の子どもにも、努力できる環境を作ってあげたいです。あと、大好きな犬も飼いたい。ポメラニアンとプードルのミックスが一番可愛いかなと思っています。

26歳(2029-30シーズン)
「他チームからもオファーが来る選手になる」「日本代表選出」
26歳は、選手として一つの節目になる年齢だと考えています。契約の面も含めて、他チームからも「武富が欲しい」とオファーが来るような、そんな価値のある選手になっていたいです。
そして、この時期には「日本代表」という舞台も目指していきたいです。日本代表に選ばれるためには、さらに高いハードルがあることは理解しています。今の自分に何が足りないのかを常に考え、自分にしか出せない価値、例えば圧倒的なスピードや、ガードとしての能力を磨き上げ、代表の試合に絡んでいける存在を目指します。
同年代や少し下の世代には、ハーパー・ジャン・ローレンス・ジュニア選手のようにディフェンス強度が非常に高い選手や、海外でプレーしていた山﨑一渉選手のようなフォワードもいます。彼らと代表合宿などで切磋琢磨し、コミュニケーションを取りながら高め合っていく。そんな経験を積みたいです。
代表という新しい環境に入れば、帰化選手や外国籍コーチとのコミュニケーションのために英語の能力もより求められると思います。僕は学生の頃から勉強していたので少しは喋れますが、河村勇輝選手のように、英語も駆使しながら堂々とコミュニケーションをとってチームに貢献していきたいです。
27歳(2030-31シーズン)
「日本代表のメインガードになる」
27歳の頃には日本代表でも「メインガード」として、チームを背負って戦えるようになりたいです。この年はフランスでFIBAワールドカップも予定されていますが、そうした舞台で戦うためにも、どんな相手であっても「絶対に勝利する」という責任感を持ち、チームをコントロールする姿勢が必要なのかと思います。
コート上での性格について自己分析すると、僕は学生時代から比較的「冷静なポイントガード」だったと思います。ただ、「強気さ」が不要なわけではありません。ディフェンスの最前線でハードに当たり、泥臭いリバウンドに飛び込む。そんな姿勢を「背中で見せる」ことで、チームの士気を引き上げていきたいです。国際大会という大舞台であっても、相手の名前やNBA選手という肩書きに圧倒されることなく、日本のチーム力で勝つ。自分もそこに絡めるように頑張っていきたいと思います。
28歳(2031-32シーズン)
「得点王やアシスト王受賞」「オフに海外バスケを見に行く」
29歳(2032-33シーズン)
「海外リーグに挑戦(韓国・欧州)」「現地でストリートバスケで交流」
30歳(2033-34シーズン)
「海外リーグで活躍」
28歳のシーズンでは、これまで目標としてきたアシストのタイトルに加え、さらに「得点力」を追求していきたいと考えています。アシストもできて、外からのシュートも高確率で沈める。相手のディフェンスから見て「守りづらくて一番嫌な選手」こそが、最高のポイントガードだと思うからです。イメージしているのは、横浜ビー・コルセアーズ時代の河村選手のような存在です。得点とアシストの両方で相手を翻弄できる選手を目指します。

オフには海外バスケを見に行くと書きましたが、これは翌年に向けた下準備のイメージ。29歳の年には海外挑戦ができればと思っています。韓国やヨーロッパでプレーしたいです。正直に言うと、昔から海外志向があったわけではありません。けれど、大学時代に韓国のプロチームと練習試合をする機会があり、「韓国のリーグでプレーしてみたい」という思いが芽生えました。
さらに言えば、ヨーロッパ、特にフランスのような、独特のリズムや優れたシュートタッチを持つ選手が多いリーグにも興味があります。日本とは違うバスケットボールの文化、独特のセンスに触れることで、自分自身が選手としてさらに大きく成長できるのではないかと考えています。違う文化に触れるという意味で、海外のオフにはストリートバスケなどにも混ざってみたいです。
31歳(2034-35シーズン)
「日本に戻り 佐賀で再び貢献」「佐賀でバスケを盛り上げる活動」
32歳(2035-36シーズン)
「佐賀で活躍 地元の子どもたちの目標に」
プロ10年目。32歳。年齢的には引退なども考えたりする時期かもしれませんが、僕はもっと佐賀で活躍して、佐賀の子供たちの目標となるような選手になっていきたいです。
僕自身、佐賀で育ってきましたが、自分が子どもの時は今のようなアリーナもありませんでした。今は大きな舞台でプロ選手と交流したり、クリニックを受けたりできる。そうした機会を通じて、大舞台でも緊張せず、実力を成長させていってほしい。僕も佐賀の代表として、小中学生へのクリニックなどに積極的に参加し、佐賀から全国で活躍する選手を増やしていきたいです。
子どもたちの目標となる選手とは、プレー面では誰よりもハードな選手。そしてオフの生活でもバスケットボールにフォーカスし、体作りや地元への貢献を怠らない選手だと思います。僕の大学の先輩であるシーホース三河の長野誠史選手が、毎年OB戦に来て僕たち学生に実力や経験を教えてくださったように、僕もそんな姿を目指したいです。

今回、こうして10年間の年表を作ってみて、27~28歳くらいまでは自分の中で大事に考えていたので話せましたが、31歳以降を具体的に考えるのは難しかったです(笑)。でも、29歳や30歳で海外リーグに挑戦するためには、今の自分にはまだまだ実力が足りていない。そこまでにどれだけ自分をアピールして成長していけるかが大事だと改めて思いました。
そして、10年後もバスケットを続けたいと思うなら、体の作り方が何より大切です。オフの日でもどれだけバスケットボールにフォーカスして、自分の体と見つめ合って努力できるか。長年プレーしていくためには、そこが一番大事だと考えています。

インタビュー=峯嵜俊太郎(バスケットボールキング) Copyright 株式会社ビーリンク

Cookieについて
このサイトでは、サービスの運営に不可欠な Cookie を使用します。また、利用状況の分析や広告配信のために Cookie を使用することがあります。
『同意する』をクリックすると、これら全ての Cookie の使用に同意したことになります。
拒否される場合は『同意しない』を選択してください(この場合でも基本機能に必要な Cookie は使用されます)。
Cookieの詳細