チケット購入

未来年表 ~ドラフト指名選手の10年計画~ Vol.2 新井楽人(横浜ビー・コルセアーズ)

2026.08.26

選手

『B.LEAGUE DRAFT 2026』で指名を受け、プロアスリートとして最初の一歩を踏み出した選手たち。彼らは今、どのような景色を見つめ、10年後の自分をどのように描いているのか。本企画では、コート上の野心からオフコートの私生活まで、自ら書き込んだ「10年間の未来年表」を元にキャリアの展望を伺う。第2回は1巡目3位(全体3位)で指名された、横浜ビー・コルセアーズの新井楽人に話を聞いた。

 

23歳(2026-27シーズン)

「新人賞を獲る」「地元のオールスター出場」「社会人の常識を身につける」

 

昨シーズンは特別指定選手としてプレーさせていただいて、ドライブやディフェンスの部分ではBリーグの舞台でも通用する手応えを感じることができました。その上で、今シーズンはローテーション入りを果たして、1試合平均20分以上プレータイムがもらえるくらいチームに貢献して、新人賞を狙いたいと思っています。

具体的なプレーとしては、自分でクリエイトして得点するプレーを増やせたらと思っています。昨シーズンはスポットシューターとして3Pシュート成功率40パーセントを超えることができたのですが、今シーズンは自分でディフェンスを剥がしたりしながら、同じくらいの確率で決めていきたいです。あとは地元の愛知県でりそなグループ B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2027 IN AICHI-NAGOYAが開催されるので、ぜひ出場したいですね。

昨シーズンは3Pシュート成功率44.0%を記録【(C)B.LEAGUE】
 

競技以外のところでは、選手であると同時に1人の社会人でもあるので、社会人としての常識もしっかり身につけていきたいです。税金のことなど、自分のことは自分でちゃんとできるようになりたいですね。 アスリートを引退してからの人生のほうが長いので。
 

24歳(2027-28シーズン)

「"チームを勝たせられる選手”になる」「オフに海外旅行」

25歳(2028-29シーズン)

「"チームを勝たせられる選手”になる」「平均10.0得点•3PTFG% 40%」

 

2年目、3年目はよりチームのなかで存在感を高めて、主力としてチームを勝たせられる選手になりたいです。例えば、昨シーズン優勝した長崎ヴェルカさんの馬場雄大選手のように。イ・ヒョンジュン選手やスタンリー・ジョンソン選手も凄かったですけど、個人的に一番印象に残っているのは馬場選手です。常にハードワークして、激しいディフェンスでチームをけん引する活躍をされていました。泥臭い仕事も全力で遂行する姿勢こそ、チームが一番求めているもので、“チームを勝たせる”プレーなのかなと思っているので、僕自身もそういうプレーヤーになりたいです。

オフコートのところでいうと、海外旅行をしてみたいと思っています。ハワイやグアム、フィリピンなど、リゾート地に行きたいです。これまで遠征で海外に行くことはありましたが、旅行で日本を出ることはなかったので、そういうこともできたらなと。
 

26歳(2029-30シーズン)

「"チームをプレーオフ出場に導く選手"になる」「ベストDF賞受賞」「日本代表候補選出」「地元でバスケクリニック」

 

26歳の欄にはプレーオフ出場と書きました。もちろん毎シーズンプレーオフ出場を狙うつもりですけど、このくらいの時期にはチーム内でさらに存在感を高めて、「自分の力でチームを出場に導いた」と言えるような活躍をしたい、という思いがあります。昨シーズンのプレーオフ(チャンピオンシップ)出場チームのなかでは宇都宮ブレックスの印象が強くて、その完成度の高さに驚きました。プレーオフに出場するにはあれくらいの完成度が求められるのかなと。個人としての活躍はもちろん、そういう部分でもチームに貢献できたらと思います。

また、個人賞ではベストディフェンダー賞が獲りたいです。オフェンスよりディフェンスが好きということでもないんです。点を取るほうが好きですし。でも、得点ってどうしても限界があります。Bリーグでは外国籍選手がファーストオプションになることが多くて、日本人選手が毎試合何十点も取ることを求められることはなかなかありません。けれど逆にディフェンスについては、「求められないことがない」ものだと思っています。コートに立つすべての選手がチームに貢献できるプレーなんじゃないかなと。個人的にも自分は1番から4番まで守れる選手だと思っているので、そこで高い評価を得ることができたらうれしいですね。

すでにディフェンス面でも高い評価を得ている新井【(C)B.LEAGUE】
 

あとは、日本代表にも絡んでいきたいです。僕の中で日本代表に選ばれる選手のイメージは、高いスタンダードの上に強烈な特徴を備えているというもの。例えば富永啓生選手の3Pシュートや馬場雄大選手のドライブとディフェンスとか、明確な武器を持っている選手が多い印象です。もし僕が日本代表に入るとしたら、馬場選手と同じドライブやディフェンスを武器にして入るイメージをしています。

 オフコートの活動としては、地元でクリニックを開催したいですね。僕は高校生から愛知を離れていたので、特別強い地元愛がある方ではなかったのですが、先日プロになって初めて地元に戻ったら、地元の方々や母校の子どもたちがすごく歓迎してくれて、こんなに喜んでくれるんだと驚きました。僕自身子どもの頃にプロの選手と接する機会はなかなかなかったので、自分が憧れられる存在になったんだと自覚する経験になりました。単純に喜んでもらえると僕もうれしいので(笑)、これからも続けていきたいと思っています。
 

27歳(2030-31シーズン)

「"チームをプレーオフ出場に導く選手”になる」「ベストファイブ受賞」「FIBAバスケワールドカップ出場」「B.LEAGUEで兄弟対決」

 

27歳の頃には「自分の力でチームを優勝させた」と言えるくらいの活躍をしたいです。プレーオフ チャンピオンシップ出場よりもさらにもう一段上のステップを目指す上で、今の僕ではそのために何が必要になるかもなかなかイメージできていません。今はとにかくコツコツと努力を積み上げて、5年後にはしっかりとそれを表現できるくらいの選手になっていたいと思います。

また_その上でFIBAバスケワールドカップの日本代表メンバーも目指していきたいです。ワールドカップやオリンピックといった大きな国際舞台では、選手としての能力はもちろん、国を背負う責任を持つこと、それを力に変えるメンタリティが求められると思っています。日本は国際舞台ではまだまだアンダードッグで、チャレンジャーとして臆せず戦う姿勢も求められます。僕自身、中学や高校では無名の選手だったので、これまでのキャリアでチャレンジャー精神は身についています。

弟もバスケをやっていて今高校3年生なので、ちょうどこのシーズンにプロ入りする世代です。もしBリーグで兄弟対決ができたら良い親孝行になるので、実現したらいいですね。

28歳(2031-32シーズン)

「チームの主力」「オリンピック出場」

29歳(2032-33シーズン)

「“チームの顔”になる」「地元にバスケコートをつくる」

 

28歳くらいに選手としてのピークを迎えると考えていて、この時期にチームの主力として活躍しながら、日本代表としては国を背負ってオリンピックに出場できたらうれしいです。もちろん、出るだけじゃなくて勝たなければいけないと思うので、そこに貢献できる選手になっていたいと思います。

これくらいの時期に、「チームの顔」と呼ばれるくらいの選手になっていたいです。パッと思いつくのは、川崎ブレイブサンダースの篠山竜青選手。昨シーズン対戦した時に篠山選手がダイブしてボールに飛びつくシーンがあって。これだけの選手がこんなプレーをするんだ、と驚き、チームを背中で引っ張る選手ってこういう選手のことを言うんだろなと感じました。僕も将来そういう選手になりたいです。

篠山は日本大学の大先輩にあたる【(C)B.LEAGUE】
 

オフコートで言うと、また地元の話になりますが、バスケのコートを地元に作りたいなと思っています。僕が子どもの頃は近所にバスケコートやリングがなくて、父が電柱にリングをくくりつけて、手製のゴールを作ってくれたんです。ボール1個がギリギリ通るくらいの小さなリングで、小さい頃はそれでずっと練習していました。今も街中にリングやコートはなかなかないので地元への恩返しも兼ねて実現できたらいいなと思っています。
 

30歳(2033-34シーズン)

「“チームをまとめられる選手”になる」

31歳(2034-35シーズン)|「プレーオフMVP受賞」「FIBAバスケワールドカップ出場」

 

30歳になったら、ベテランとしてチームをまとめる働きでも貢献できるようになりたいです。昨シーズンの横浜BCでは森井健太選手と谷口光貴選手がチームをまとめてくれていました。特に谷口選手は僕ら若手の面倒をすごく見てくれて、いろいろなことを教わったので本当に感謝しています。僕も将来はそんなふうにチームをまとめていきたいです。

31歳の目標にはプレーオフMVP(プレーオフ最優秀選手賞)を入れました。実力はもちろん、大舞台での勝負強さなどがないと受賞できない個人賞だと思っています。自分のことを勝負強いとは思っていませんが、大舞台でも緊張しないタイプだと自負しています。緊張して本来の実力が発揮できないとか、そういうことはありません。なので、自分のスタンダードをコツコツと高めていって、「自分の実力を十分に発揮できたらプレーオフMVPを獲れる」くらいの実力まで自分を磨くことができたら、受賞できると思っています。

あとは30歳を超えても日本代表でプレーできていたらいいなと思います。今の日本代表も30歳以上の選手が主力としてチームを引っ張っているので、僕もできる限り第一線で活躍できる選手でいたいです。
 

32歳(2035-36シーズン)|「プレーオフ連覇」「セカンドキャリアの準備を始める」

 

10年目のシーズン。もしかしたら少し遅いのかもしれませんが、これくらいの時期にはセカンドキャリアのことも考えていきたいです。こんなこと言うと「32歳で引退を考えているのか」と言われてしまいそうですが、全然そんなことはなくて、僕はバスケが大好きなのでできる限り長くプレーしたいと思っています。プロとして生きていけるなら、たとえカテゴリーを落としても、40歳くらいまでプレーしたいなと。その一方で、最初に言った通り引退してからの人生のほうが長いので、準備は始めておきたいです。

現時点ではセカンドキャリアのイメージはほとんどありませんが、バスケを教える側になることもイメージしています。これもプロになるまでは全く考えていなかったんですけど、先ほども話しましたが先日地元に帰って母校を訪れた際に子どもたちにコーチングする機会があって、自分がこれまで学んできたことが知識として身についていて、意外と人に教えられることに気がつきました。地元の方からもバスケ教室をやってほしいといったお誘いもいただいているので、そうしたことも取り組んでいけたらいいですね。

 

今回こうして年表を作ってみて、28歳くらいまでは割とスルスルと話せましたが、それ以降は正直なかなかイメージできませんでした(笑)。とにかくコツコツと積み上げていって成長していきます。

インタビュー=峯嵜俊太郎(バスケットボールキング)

PICKUP VIDEO

Bリーグ
オリジナル特集