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【EASL】困難を乗り越えながら結束を強めるA東京、伊藤大司GMが明かす裏側と優勝を誓うライアン・ロシター「チーム一丸の総力戦で勝ち抜いていく大会」

2026.10.09

国際連携

【(C) EASL】
 

「最後の舞台でプレーできなかったのは悔しかった」

 

アルバルク東京は初参戦となった昨シーズンに続き、今シーズンもEASL(東アジアスーパーリーグ)に出場する。昨シーズンはマカオでのファイナルズに進出するも、ここで攻守にチームを支える大黒柱のライアン・ロシターが戦線離脱。セミファイナルで桃園パウイアン・パイロッツに敗れ、4位で大会を終えた。

「僕自身、EASLではファイナルズ進出に向けてベストを尽くしてきたので、最後の舞台でプレーできなかったのは本当に悔しかったし、心残りでした」とロシターは振り返る。

「マカオでのファイナルズは負けたら終わりの一発勝負。そうした特別な雰囲気の中でプレーできなかったのは辛いことでした。ただ、昨シーズンにファイナルズまでの道のりや雰囲気、試合の感触を身をもって経験できたことは、今シーズンに生かせるはずです」

EASLを戦う上では、どうしても過密日程と向き合うことが求められる。それでも伊藤大司GMは「モンゴルでマイナス25℃を経験したり、食事が合わなかったり、ホテルも日本とはまた違ったり、移動時間が長かったり、なかなかタフな状況を乗り越えなければいけません。ですが、『これを乗り越える自分たちはタフなチームだよね』という一体感が得られました。そうやって強いチームケミストリーができたのは、EASLの非常に良かった点です」と語る。

さらに、B.PREMIERになって2日連続の試合が減ることがEASLを戦う上で大きなプラスになると続けた。「連戦からの移動で水曜に試合をするのは、目に見えている以上にメンタルもフィジカルも選手を疲れさせていました。1日空けばリカバリーに集中できます。選手にとってありがたいスケジュールになりました」

一方でEASLを戦う『B.LEAGUEの上位チーム』は、サラリーキャップ制度の導入で選手年俸を削りながらチームを編成しなければならなかった。日本勢がEASLで優勝し続けている状況が、これで変わるかもしれないと伊藤GMは言う。

「現実的に言えば、昨シーズンまでB.LEAGUEで活躍した選手がアジアの国に移籍しています。実力のある選手だし我々のバスケのことも知っているので、私たちにとっては大きな挑戦となります。ただ、それも戦い方次第ですし、それを言い訳にして負けていいわけではありません。日本の3チームがどうチャレンジしていくかは非常に楽しみだし、こういう状況でも日本は強いんだと示す良い機会になります」

【(C) EASL】
 

「普段は対戦しないチームと試合ができるのは楽しい」

 

ロシターも過密日程をこなす大変さを認めながらも「海外に遠征して、普段は対戦しないチームと試合ができるのは楽しい経験です。遠征では他にやることもないので、チームの仲間と旅行をするようにチームの絆を深めることもできます」と、プラスの面も強調した。

ロシターにとって印象深いのは、モンゴルへの遠征だ。「確かに遠いし、B.LEAGUEのレギュラーシーズンを戦いながら早朝に起きて飛行機に乗り、移動して翌日に試合をして戻るという負担はありました。でも、現地で宿泊したホテルは素晴らしかったし、食事も美味しかったです。何よりホテルの中にサウナがあって、厳しい寒さの中でみんなでサウナで温まったのは、とても楽しい思い出です。モンゴルには熱狂的なバスケファンがたくさんいて、会場の雰囲気も最高でした。国際大会でモンゴルでプレーするという経験をチームで共有する、素晴らしい遠征でした」

そのサウスゴビ・ブロンコスとは今シーズンもグループステージで対戦する。ロシターは「クリスマスにモンゴルだよ!」と、楽しみなのか嘆いているのか、2つの感情が入り混じった笑みを見せた。

冗談はさておき、今シーズンもA東京はEASLという過酷な、そして誇らしいチャレンジに挑む。昨シーズンは各ポジションでケガ人が連鎖する異常事態とも言うべき状況で、チームはハードワークに徹し、当時ザック・バランスキーが「言い訳を探せばあったと思いますが、そんなにプライドの低い選手はいません」と表現したように、プライドを前面に押し出す戦いぶりで勝利を重ねていった。

伊藤GMはこの時を振り返り、バランスキーとロシターのリーダーシップが、チームが不屈の戦いを続ける大きな要因となったと証言する。そのリーダーシップについてロシターに問うと、「シーズン全体を通して『こうしなければならない』と決まったマインドセットがあるわけではありません」と答えた。

「その時々のチーム状況をしっかり把握することが大事です。あえて何も言わないのが適切な時も、チーム全体を鼓舞しなければいけない時もあります。誰かを個別で呼んで話をし、元気付けたりアドバイスすることもあります。その時々の状況やタイミングに応じてスタイルを変えていくのが僕のやり方です。EASLについて言えば、『大変なのは分かっているけれど、こういった状況だからこそチーム一丸となって、楽しみながら戦っていこう』と声を掛けることを意識していました」

【(C) B.LEAGUE】
 

「ファンの皆さんがいる以上、言い訳はしません」

 

コート上でのEASLの特徴は、オン・ザ・コートルールの違いだろう。外国籍選手が2人しか登録できないため、帰化選手であるロシターの役割はB.LEAGUEの試合よりも大きなものとなる。「エントリーできる外国籍枠が1つ少ないことで、自分がいつも以上に得点を取ったり、よりアグレッシブにプレーしなければいけないという意識はありました」とロシターは言う。

「EASLは移動も多く、B.LEAGUEのタフなシーズンと並行して戦うため、登録している12人全員の力が絶対に必要です。チーム一丸の総力戦で勝ち抜いていく大会だと認識しています。そこでは特に、B.LEAGUEの試合では十分なプレータイムを得られていないベンチメンバーにとって、プレーのリズムをつかみ、チームに貢献する絶好のチャンスとなります。だからこそ今シーズンも、チーム全員で勝利をつかみ取るような形で優勝を目指したいです」

「僕自身も一人の選手として、誇りをもってEASLを戦おうとしています。B.LEAGUEのチームがEASLで大きな成功を収めている、その流れをしっかりと継続していきたいし、東アジアの中で日本のB.LEAGUEが最も優れているというプライドを示したいです」

その一方で、今シーズンも開幕早々にラクラン・オルブリッチが戦線離脱となった。「正直、どうしたらいいか教えてほしいぐらいです」とロシターも嘆くが、昨シーズンの経験がチームを後押しすると考えている。

「ケガはスポーツに付き物だし、優勝できるかどうかは運の要素も大きいものです。コーチ、トレーナー、マネージャー、選手の全員が、毎日正しい準備を徹底して行っていくしかありません。自分たちがコントロールできる部分は最大限にやっているからこそ、歯がゆい部分もありますが、どのような結果になろうと受け止めていきます」

そしてロシターは、来るべき2度目のEASL開幕を楽しみにしており、その気持ちをファンと共有しようとしている。

「昨シーズンはモンゴル、韓国、台湾のアウェーゲームに、30人から40人のアルバルカーズの皆さんが駆け付けてくれました。ホームはもちろん、アウェーまで来て応援してくれるファンの皆さんがいる以上、『疲れた』とか『大変だ』という言い訳は絶対にしません。皆さんのためにも勝たなければいけないと感じるし、応援に心から感謝しています。EASL全体のファンも、モンゴルのように熱気に包まれた会場を作り上げてエキサイティングな体験ができました。今シーズンもまだ行ったことのない会場で、東アジアのバスケファンの前でB.LEAGUEの素晴らしさを示すのが楽しみです。是非、会場で僕たちを後押ししてください」

■EASL 2026-27シーズン グループステージ 開幕戦
2026年10月14日(水) 19:00 TIPOFF
アルバルク東京 vs サウスゴビ・ブロンコス
アリーナ立川立飛(東京都立川市)
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インタビュー・文=鈴木制作所