【EASL】琉球ゴールデンキングスの佐土原遼、個人もチームも高めながらアジア制覇を目指す「エースを守って勝ちたい」

「キングスはやはりディフェンスのチーム」
琉球ゴールデンキングスにとってEASLは4大会連続の出場となる。『沖縄を世界へ』というビジョンを掲げる琉球は、直近の2シーズンでファイナル4に駒を進めながら優勝に手が届いていない。「今年こそ」という思いは強まる一方、今オフにはヘッドコーチと主力選手の多くが入れ替わり、チームは大きな転換期を迎えた。琉球は新たなスタイルを探りながら、アジア制覇を目指すことになる。
昨年夏に琉球に加入した佐土原遼は、昨シーズンに初めてEASLに出場した。B.LEAGUEのスケジュールをこなしつつホーム&アウェーでアジアを戦う難しさを「キングスは全遠征で飛行機を使うため普段から移動の負担が大きいのですが、海外アウェーということもあって非常に苦労しましたね。 。あとは食事の面も、日本ほどコントロールされていないので大変さはありました」と語る。
それと同時に、EASLを戦う充実感もあった。「代表で活躍することが個人的な目標なので、EASLで対戦するチームのエースとマッチアップできるのは良かったです。そういう選手は国際大会で相手の国を代表して出てくる選手でもあって、そういう選手との対戦を経験できることで、次にすごく有利に戦えると感じます」
琉球はグループCで、桃園パウイアン・パイロッツ (チャイニーズ・タイペイ)と香港イースタン(香港)、アブラ・ウィーバーズ(フィリピン)と対戦する。琉球の初戦は10月28日、桃園パウイアン・パイロッツ とのアウェーゲームで、11月4日の香港イースタン戦が今シーズン最初のホームゲームとなる。
もっとも、まずはB.LEAGUE開幕から思うように勝てていないチームを上向かせるのが先だ。ヘッドコーチ交代に伴い、琉球は今シーズンから新たなスタイルを取り入れた。これまでより明らかにペースは上がり、走る意識が高まっている。
「皆さんが見てもらっても分かるように、堅くディフェンスしてからファストブレイクで点を取ることを一番に掲げています。平均身長では他のチームと比べたら小さいかもしれませんが、その分スピーディーな選手が多く、センター以外の1番から4番に走れる選手がたくさんいます」と、佐土原は琉球の新しいスタイルを説明する。
「昨シーズンに優勝した長崎は、スモールラインナップでスピーディーなバスケをしていて、それは今のトレンドでもあるのでウチにも取り入れたいと話していました。そこに2人のアシスタントコーチ(イドー・レヴィットと幸地渉)が長崎から来てくれて、優勝のカルチャーとともにあのスタイルを持ち込んでくれました。それでもキングスはやはりディフェンスのチームで、もともと持っている守りと、新たに取り入れる速い攻めを合わせたバスケを目指しています」

「キングスのカルチャーを新しく入った選手に示す」
もっとも、佐土原のコンディションはまだ100%とは言えない。昨シーズンの終了直後に右足首の手術を受け、オフのほとんどをリハビリに費やしたからだ。ケガがなければ昨年に続いて日本代表の活動に参加していたはずで、「出たい気持ちはありましたし、自分がいない代表を見ていて悔しい気持ちにはなりました」と佐土原は振り返る。
「これまでもオフは代表活動だったり、そうでなくてもアメリカに行ってワークアウトをしたり、自分のスキルアップや身体を鍛え直すところにフォーカスしていました。それができず、ただケガを治すだけということに正直もどかしい思いはありましたが、周囲の人たちのサポートがあって乗り切ることができました」
佐土原は開幕から元気にプレーしているが、開幕前にグラント・ジェレットが戦線離脱したこともあり、復帰を早めたという。「ケガは完治しているのですが、本来やるべき下準備ができないままシーズンを迎えているので、筋力的なところが今はまだ落ちています。バイウィークまではこの状態で行って、そこでまた鍛えます」というのが、佐土原の今のコンディションだ。
チームも開幕から勝ったり負けたりで、決して好スタートが切れたわけではない。佐土原はそれを真正面から受け止め、新たなメンバーで新たなバスケに取り組んでいる状況を言い訳にしてはならないと考えている。
「新加入選手が多いのは確かですが、キングスがどんなチームなのかを以前からいる僕たちが率先して見せなきゃいけないです。それはディフェンスにプライドを持つことです。ジャック・クーリー選手がリバウンドを取り、前からのディフェンスは小野寺(祥太)選手や脇(真大)選手が体現してくれます。フィジカルなところで言えば僕や脇選手、松脇(圭志)選手です。僕らがキングスのカルチャーを新しく入って来た選手に示すことがまずは必要です」
「マインドを変えるのは習慣として身に着けることなので、1試合とか2試合とか、1カ月で学べるものではありません。ただ、コーチ陣も僕たちもディフェンスのプライドについては話し合っているし、ここから試合を重ねていく中で徐々にプレーに表れてくると思います。そういう意味では、EASLがあって試合数が多くなり、現場での経験値が増すという意味では、EASLに出場することにすごく意味はあると思いますね。

「EASLのFINALSは沖縄でやってもらいたい」
EASLへの出場で試合数が増え、遠征の移動距離も長くなることで負担は増えるが、「僕は練習よりも試合のほうが好きなので、試合ならいくらあっても全然苦にならないです」と、佐土原は全く気にしていない。
オン・ザ・コートルールの違いも、佐土原にとっては歓迎すべきものだ。EASLでは日本人選手の出番が増え、活躍すればスタッツもそれだけ伸びる。「僕は試合ができるだけでうれしいですが、結果として例えばダブル・ダブルを記録できればそれはそれで良いですね。でもそれ以上に思うのは、相手のエースの外国籍選手とのマッチアップに勝った時の気持ち良さです。そこで相手のエースを守って勝ったら本当に気持ち良いです」と佐土原は言う。
佐土原は身長192cmで、ウイングとしては特にサイズがあるわけではないが、強靭なフィジカルと粘り強く守るメンタルを持ち、外国籍のウイングをマークするだけのディフェンス力がある。東海大学付属相模高校と東海大で「実質7年間、東海大のトレーニングをしているから、そりゃ強くなりますよ」と自信を持つ身体の強さは、強力なディフェンダーとしての佐土原がプライドを持つ武器だ。
「スピードやシュート力も大事ですが、このB.PREMIER1年目ではディフェンスのできない選手のプレータイムは限られてきます。逆に身体が強くてディフェンスできる選手が重宝されるだろうとはすごく思います」
鍛えたのは身体だけでなくメンタルもそうだ。「僕は負けず嫌いなところが相当強くて、ケガをしていても痛がらずに普通にプレーします。足首のケガにしても、捻挫してパンパンに腫れているのに普通にプレーしていました。『外国籍選手との激しい接触は嫌じゃないですか?』とよく聞かれますが、ビビらず当たるのが普通になっているので、マインドをどう鍛えるのかは正直よく分かりません(笑)。もちろん、ぶつかりにいってファウルを取られたり、いっぱい失敗もしてきました。でも、その経験から学んでファウルにならないようコンタクトできるようになっています」
個人としてもチームとしても、シーズンが進むにつれて調子を上げ、良い習慣を身に着け、最終的にタイトルを勝ち取るというのが佐土原の考えだ。「僕は高いレベルで戦いたい、タイトル争いがしたいと思って琉球に来たので、EASLのFINALSでタイトルが懸かった戦いができたのは、すごく楽しかったです」と昨シーズンを振り返るとともに、「だからこそ今シーズンは優勝したいです」と必勝を誓う。
今シーズンの琉球のホームゲームでは、新たに導入されたLED搭載の「VISIONフロア」がアジアの観客を驚かせるだろう。「みんな、びっくりすると思いますよ」と佐土原は楽しそうに笑いながら、一つの提案を出した。
「個人的な意見ですが、EASLのFINALSは沖縄でやってもらいたいです。あのコートで試合をしたらFINALSも『映える』し、僕たちもホームコートアドバンテージを持って戦えます。それに、やっぱり沖縄のファンの前で優勝できたら最高ですから、EASLさんには是非とも検討してもらいたいです」
インタビュー・文=鈴木制作所

Cookieについて
このサイトでは、サービスの運営に不可欠な Cookie を使用します。また、利用状況の分析や広告配信のために Cookie を使用することがあります。
『同意する』をクリックすると、これら全ての Cookie の使用に同意したことになります。
拒否される場合は『同意しない』を選択してください(この場合でも基本機能に必要な Cookie は使用されます)。
Cookieの詳細